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今後の改善に期待? 日本の税制について

アートロイヤー小松隼也氏による、現代アートの今を読み解くためのコラムが今回からスタートします。国内外の数多くのコレクターや作家、ギャラリスト、キュレーターとの親交を持つ小松氏。初回は美術品に関する日本の税制について解説します。

小松隼也 1

1点100万円未満が対象
美術品の減価償却

エンリッチの現代アート投資の記事でも触れられていますが、2015年の1月1日より、1点100万円未満の美術品が減価償却の対象になりました。しかしながら、この制度変更は、まだ広く浸透していないのが現状です。これまで減価償却の対象になるのは、基本的に20万円未満の美術品だったことに比べればとても大きな変化です。

気になる減価償却の期間は基本8年間と長めに設定されています。金属製のものは償却期間が15年とされています。なお、個人当たりの総額の上限が決まっているわけではないので、1点100万円未満の作品であれば何点買っても対象となると考えられています。

この1点100万円未満という価格がポイントで、100万円あれば、若手作家の重要な作品の多くが購入できるように思えます。ニュースに出るような数千万、億単位の高額な現代アートを見ていると、100万という金額は小さく感じてしまうかもしれませんが、それらの作品も以前は100万円あれば購入が可能であったことは間違いありません。これから世界に羽ばたく可能性の高い若手アーティストの重要な作品を購入するには十分な金額です。

小松隼也

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