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「リスクマネジメント」との向き合い方

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メンタルトレーナーの高畑好秀氏が、悩めるエンリッチにアドバイスする本コラム。意外な視点からの言葉に、思わずハッとさせられるかもしれません。今回のテーマは「リスクマネジメント」です。不祥事はビジネスの大敵。どうすれば未然に防げるのでしょうか。

公私を問わず人はウソをつくが、
“マヒしない”気持ちを持つこと

コンプライアンスを重視しているはずの大手企業をはじめ、ビジネスにおける不祥事が後を絶ちません。データの改ざん、不正会計、ブラックな労働環境などが白日の下にさらされ、謝罪会見を開く様子は、いまや珍しいとも思わなくなりました。

なぜ、自社の信用を毀損するとわかっていながら、虚偽や隠蔽に走ってしまうのでしょうか。「業績を下げられない」「わからなければ万事うまくいく」など理由は様々でしょうが、私は「人はウソをつく生き物」という性が関係していると思います。

皆さんも、これまでのことを振り返ってみてください。誰もが公私を問わず、一度はウソをついたことがあるのではないでしょうか。軽い内容ならあまり気にしないで口にしたり、なかにはシャレにならないことも……。「ついてはいけない」と教えられてきたにも関わらず、私たちの生活にウソは身近です。

昨今のニュースを見て「企業の不祥事が増えた」と指摘する人もいるでしょうが、それはSNSの普及、あるいは働き方に対する意識の変化により、明るみに出やすくなっただけだと思います。昔は社会的な雰囲気がおおらかであったり、世間に知らせるインフラがなかっただけで、ビジネス上のウソはあったはずです。

では、どうすれば不祥事をなくすなど、リスクマネジメントは徹底できるのでしょうか。ポイントは「人はウソをつく」を前提に、「それにマヒしない」メンタルを養うことだと思います。もしくは、ビジネスを定期点検し「進捗に無理はないのか」「過度な投資をしていないか」「望むべき方向に向かっているか」と自問自答を繰り返すことです。もちろん、経営者であれば自分だけではなく、周囲も巻き込んで正常なコンプライアンス、ガバナンスが働く体制にしておくことは当然ですが、スモールビジネスの段階だと、チェック機能を構築しずらいケースもあることでしょう。また、トップであるからこそ、遵法精神やマナー、ルールには敏感になるべきです。脳内で会議を繰り返すことで、己を律する精神をキープすることができるでしょう。

高畑好秀

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