ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

成功者ほど自信を持たない理由

エンリッチkaya2001

世間では、成功者は自分に対して自信を持っていると思われている。だが、この話は成功していない人の想像に過ぎない。成功者は多くの人が思っているほど自信過剰ではなく、むしろ自信がなさ過ぎるくらいである。では、なぜ成功者の言動は自信満々に見えるのだろうか。それは自信ではなく、経験や知識に裏付けされた確信があるからである。

成功者ほど失敗を繰り返している

いろいろな事がうまくいかず、「自分にもっと自信があればよかったのに」と考える人は少なくない。そのような人は、自信満々に見える成功者をうらやましく思ったりするのだが、現実は正反対である。本当に成功している人で自信過剰という人は少なく、どちらかというと臆病な性格の人が多い。

この現実を勘違いしてしまうと、場合によってはとんでもないことになってしまう。

もちろん過度に臆病になってしまって何もできないのは問題だが、ただむやみに自信をつければよいというものではない。世の中には、少々、怪しげな自己啓発セミナーなども存在するが、根拠なく自信を付ける訓練をしても、ただの自信過剰でイタい人になってしまうのは目に見えている。

成功できる人というのは、リスクに敏感であり、常に最悪の状況を考えながら行動する。成功している人は、その陰で何百回もの失敗をしているのだが、小さな失敗を無数に繰り返すことで、どうすればうまくいくのかという法則を会得していく。一般的にビジネスのコツと言われているものは、小さな失敗によって形成される。

こうした経験を繰り返していくと、そのうち、新しいテーマに直面しても、「ああ、あの時のケースに似ているな」と思えてくるようになり、そのビジネスがどう推移するのか、予想できるようになる。場合によっては「あの時の大失敗と同じパターンだ」ということが分かるので、即座に撤退した方がよいとの判断ができる。

本コラムの読者の方は、すでに成功を収めている人も多いはずなので、この話に対しては大きくうなずいていただけると思う。

ある程度、成功を収めて、「勝ちパターン」や「負けパターン」を熟知するようになると、他人の取り組みを見て「これは絶対失敗するな」とか「とうとうやってしまったか」と思えるケースによく遭遇する。親切心からアドバイスをするのだが、大抵の場合、相手はこちらの言い分には耳を貸さない。

このタイプの人は、ほぼ確実に失敗するのだが、困ったことに、失敗した後でも平気な顔をしている。本人の中ではなかったことにして処理しているので、それが知識や経験として血肉にならないのである。その人は、近い将来、再び同じ過ちを繰り返すことになるだろう。

これこそが自信過剰というもので、成功者とは正反対の人物像である。確実に失敗する人は、「確信」ではなく「自信」で行動してしまうので、同じことを繰り返してしまうのだ。

加谷珪一

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