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ジェフ・ベゾス アマゾン創業者

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iStock:AdrianHancu

アマゾンは言わずと知れたネット通販企業の世界最大手だが、アマゾンという会社の本質は「商売」ではない。同社はコンピュータの機能をネットワークを通じて提供するクラウドと呼ばれるビジネスにおいて、すでに世界トップ企業に成長している。通販事業で断トツのシェアを握っているのも、同社が提供する高度なテクノロジーによるところが大きい。アマゾンを形作っているのは「テクノロジー」であり、それは創業者であるベゾス氏の人物像に由来している。

*この記事は2016年11月に掲載されたものです

知識に対する貪欲さと淡泊さが同居

ベゾス氏は1964年生まれ。子供の頃から科学的なものに興味を示しており、進学したプリンストン大学では計算機工学を専攻している。卒業後、ウォールストリートの金融機関やヘッジファンドに勤務し、トレーディング・システムなどの構築において、めざましい実績を残している。しかし、ベゾス氏は、組織の限界を感じており、20代の前半で早くも独立を画策するようになる。

サラリーマン時代のベゾス氏は知識の吸収に貪欲だったといわれている。常にメモ帳を持ち歩き、アイデアが浮かぶとすぐにメモに書き込んでいた。あまりにもアイデアが豊富で、すぐに書かないと忘れてしまうからである。また彼の思考回路の特徴として、より新しくて画期的なものがあると、古い概念はすぐにきれいさっぱり忘れたという。

ベゾス氏はいわゆる理工系だが、非常に外交的で、オフィスでは常に彼の笑い声が聞こえていたという。ちなみに、金融機関時代に得た知識は、組織のマネジメントに関する分野にも及んでおり、アマゾンの社員の採用手法は、その時の手法をうまく活用したものだそうである。

インターネットという巨大市場の立ち上がりを目の前にして、起業したいという野心を押さえられなくなったベゾス氏は30歳で会社を辞め、シアトルに移住してアマゾンを立ち上げた。最後に在席したヘッジファンドのトップからは、何度も退職を考え直すよう慰留されたというが、ベゾス氏は首を縦に振らなかったといわれる。

起業の場所としてシアトルを選んだのは、シアトルにはマイクロソフトやボーイングといったハイテク企業が立地しており、技術的なリソースが豊富だったこと。また税制が有利だったことなどが理由である。

加谷珪一

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