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ウォーレン・バフェット

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Photo:iStock.com

莫大な富を形成するには、大きく分けて二つの方法がある。ひとつは事業を立ち上げて、それを成功させるという方法。もう一つは投資で成功するという方法だ。割合としては事業で富を作る人の方が多く、投資で成功する人は少ない。それだけ投資の難易度は高いといってよいだろう。

ウォーレン・バフェット氏は投資の世界で卓越した成果を上げ、世界ナンバーワンの資産を作り上げた人物である。だがバフェット氏に対して世間一般が抱くイメージは大富豪のそれではなく、むしろ堅実さだろう。バフェット氏は堅実な投資を行っているにもかかわらず、なぜ莫大な富を作ることに成功したのだろうか。

バフェット氏は本当に堅実な投資家なのか

バフェット氏は短期的な利益を追求せず、長期にわたって利益を出し続ける超優良企業に投資をすることで知られている。強欲で荒っぽいタイプが多い投資の世界において、彼のような人物は珍しく、彼の本拠地にちなんで「オマハの賢人」などともいわれている。
 
日本にもバフェット氏のファンは多く、彼らは、優良な銘柄を長期的視点で買うことで、バフェット氏のように大きな利益が得られると考えている。だが、実際に投資をしたことがあれば感覚として理解できると思うが、堅実な投資を繰り返しているだけでは、お金持ちになることはまず不可能だ。バフェット氏のファンと呼ばれるような人で、大きな資産を築いたという話を筆者は聞いたことがない。

確かにバフェット氏は、コカコーラ、アメリカンエキスプレス、ウェルズファーゴといった超優良企業ばかり買っている。最近でこそバフェット氏はIBMやアップルの株にも手を出しているが、以前は、ITはよく分からないとして、投資を避けていた。それくらいバフェット氏の銘柄選びは、保守的で慎重だった。

だが、株価チャートを見ればよく分かるように、こうした超優良銘柄の値動きは安定しており、投資をしても基本的にあまり儲からない。では、バフェット氏は優良銘柄ばかりに投資しているにもかかわらず、なぜ巨額の利益を得られるのだろうか。その理由は高いレバレッジにある。

レバレジットというのは、信用取引に代表されるように、借金をして、持っている金額以上の資金を投じる手法のことを指す。つまり一種の投機である。実はこれがバフェット氏の驚異的リターンの源泉となっている。

バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは、傘下に保険会社や鉄道会社、エネルギー会社などを持つ一種のコングロマリットになっている。こうした事業会社の信用をうまく利用して資金を借り入れ、手元資金以上の金額を株式に投じているからこそ、高いリターンを得ることが可能となっている。

やはりバフェット氏も、高いリスクを取っているのだが、バフェット氏のファンと称する人の多くはこの事実を見逃している。

加谷珪一

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