*2015年5月22日掲載。再構成してお届けします。
日本は成長経済から成熟経済に移行し、モノやサービスを単純に売るだけでは儲からない時代になってきた。これにともなって、お金持ちになるために必要とされる能力も大きく変わってきている。(シリーズ初回から読む)
成功する人は同時進行が得意
日本は人口の減少や経済の成熟化で、ビジネスの単位は小さくなる傾向にある。一方、その分だけ、ビジネスチャンスの数も増えてくる。これからの時代は、小回りの利く小規模な事業や投資を数多く数取り組める人が有利になってくるだろう。小さくてもよいので、複数の事業をいくつも立ち上げるノウハウが求められることになる。
事業の立ち上げに何度も成功している人にはいくつかの特徴がある。もっとも顕著なのは、同じタイミングで多数の事業に取り組んでいることである。幸運にも最初に始めた事業が大当たりしたという人を除いては、様々な試行錯誤を重ね、ようやく成功する事業に辿り着いているのだ。
こうした成功者は、同時進行でいくつものプロジェクトを走らせる。これらの中で、可能性が見えてきたものに対して一気にリソースを投入していく。
プロジェクトがうまく立ち上がる確率はかなり低い。10個以上のプロジェクトに取り組み、その中でモノになるのが1個あるかないかという程度である。筆者は多くの起業家から話を聞いてきたが、大枠としては単一事業を行っていても、その中では異なるアプローチのプロジェクトを同時進行で進めているという人は多かった。
とにかく数をこなすというのは、これからの時代における重要なポイントと考えてよいだろう。ひとつのアイデアに固執し、丁寧に準備ばかりしていたのでは、よほど運がよい人でなければ成功するのは難しいと考えるべきだ。