ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

フラットに物事を考える

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お金持ちの人は、たいていお金持ちになるべくしてなっている。いろいろな理由があるが、もっとも大きいのは、物事に対する見方がフラットだからである。逆に言うと、なかなか成功できない人は、上限関係でしか物事を判断することができない。

上下関係で物事を見ていると儲からない

世の中には、儲からない仕事ばかり受注して苦しんでいる人がたくさんいる。この状態では到底、お金持ちにはなれないのだが、このようなタイプの人は、たいていの場合、顧客との関係を上下で判断している。

お客様は神様という言葉ほど誤解されているものはないだろう。ビジネスの本質は、自身の利益を最大化することであり、そのためには顧客ニーズを徹底的に理解し、それに合ったサービスを提供することが重要となる。顧客の側も、自身の効用が大きい製品やサービスなら、相応のお金を払うはずだ。

それにもかかわらず、不当に安い価格でしか注文を出さない相手は顧客とは呼べないし、その状態で注文を受注している側はビジネスとは言えない。

このような状況になっている企業は多いのだが、おそらく双方に「上限関係」という強い潜在意識があり、それが合理的な判断を阻害している可能性が高い。

上下関係でしか物事を考えられないと、顧客からの要求はすべて受け入れてしまう。そのため生産性は下がり、利益率も低下する。無理な状態を継続するためには、従業員やパートナーに対して無理な要求を重ねる必要が出てくるが、これを継続するには、力関係で押し切るしか方法はない。

結局のところ上下関係でしか物事を把握できないと、より強い立場の相手から搾取され、より立場の弱い人を搾取するという構図に陥ってしまう。たいていの場合、本人にはそうした意識はないのだが、そうであるがゆえに、改善するのはとても難しい。

ビジネスで成功するためには、この悪循環から脱出する必要があり、そのために必要となるのが物事に対するフラットな考え方である。お金持ちの人は、お金持ちになる前からこうしたマインドを身につけていることが多く、これが成功の秘訣となっている。

こうしたマインドがなかった人でも、経験を積むうちにフラットなマインドを習得し、自身でうまく消化できるようになり、結果的に成功の切符を手にしている。

加谷珪一

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