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不動産がますます高騰するシンガポール

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ここまで10回以上にわたって旅行として訪れた都市の様子について紹介してきましたが、今回は久しぶりに私が本拠を置いているシンガポールについてのコラムです。

コロナ前に完全に戻ったシンガポール

地域別にみて最もコロナについて厳格な規制をしてきた東アジアにおいても、かなり厳しくコロナ規制を敷いてきたシンガポールですが、今年の初めから公共交通機関におけるマスクの着用義務もなくなり、ほぼ完全にコロナ前の生活へと戻ってきました。

また、アジア屈指のハブ空港であるチャンギの利用者数も順調に回復しており、2023年3月には約460万人とコロナが感染拡大してから月間で最大の人数を記録しました。年間で見ると過去最大の利用者数だったのが19年の約6,800万人でしたが、ようやくその時の8割ほどまで利用者数が戻ってきた計算です。私も頻繁にチャンギを利用していますが殆どの店舗は営業を再開して、さらにターミナル5整備の工事も復活してコロナ前の活気が戻ってきたと実感しています。

昨年の秋頃から国際会議の開催も復活してきています。シンガポールは19年に国際会議の開催件数が1,200件を上回って、国土がわずか東京の23区ほどしかない小国にもかかわらず国別の開催件数で世界トップとなっていました。

コロナ前との変化でいうと特に金融系の国際会議の開催地として、アジアにおいてシンガポールと2分していた香港において、中国本土の政府による厳格なゼロコロナ政策に加えて、民主的な勢力の抑圧や以前よりも厳しい資本規制を嫌って、富裕層を中心に資金をシンガポールにシフトする動きが拡大し、それを受けて開催地をシンガポールに変更する動きが拡大していることです。

コロナ前には香港で毎年行われていた”SuperReturn”などの機関投資家が多く集まるイベントや他にも仮想通貨関連や経営者が集う国際会議のいくつかもシンガポールに開催地が変更されました。

こうしたビジネス関連のイベントだけでなく、アートなど他の種類のイベントについてもシンガポールでは開催が増えています。

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私たちも付き合いのあるプライベートバンカーから招待を受けて、昨年秋に開催された”ArtSG”に参加しましたが、アートについては香港がアジアで最も影響力のある場所でしたが、シンガポールがこの分野でも伍していくと期待できるほど、欧米から有力ギャラリーが集まるとても刺激的なイベントでした。

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マリーナベイサンズやセントーサ島というグローバルでも最もMICE需要を集めるのに適した巨大ホテルを完成させたシンガポールがその立地の良さを活かしてこうした国際的なイベントの開催を増やし、国全体の経済も盛り上がっていくと期待しています。

岡村聡

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