ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

コミュニティへの貢献を目指すスンバ財団

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有力なトラベル雑誌で世界一の称号を受けたスンバ島のリゾート、ニヒ・スンバについて前回のコラムで紹介しましたが、今回はニヒ・スンバのリゾート運営にとどまらないスンバ島での活動について紹介します。

現地コミュニティの様子

ニヒ・スンバは著名ファッションブランドの創業者にしてビリオネアであるクリストファー・バーチ氏が2012年にリゾートを取得してから、大幅にアップグレードして短期間に世界トップクラスのリゾートなったことは前回に紹介しました。そして、このクリストファー・バーチ氏は、単にリゾートを運営するだけで満足せずに、スンバ財団というNPO団体をサポートしていて、スンバ島の現地コミュニティに広く貢献することを目指しています。

ニヒ・スンバに滞在したゲストの多くは、現地コミュニティの様子を見てまわるトレッキングツアーに参加します。私たち家族を専属でサポートしてくれるスンバ島ローカルのロベルトさんの案内で、スンバ島の中でも最も古くかつ昔ながらの生活をしている村を訪れました。

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スンバ島の住居は写真にあるように、屋根の中央部分が鋭角に飛び出した特徴的なデザインをしています。この中央部分にはカマドがあって、ここから出た煙がこの飛び出した部分に上がっていくことで定常的に風が送り込まれて、乾燥した状態に保たれるのでローカルたちはここに穀物や肉などを保存しているそうです。中東にあるウィンドタワーとよく似た構造です。

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スンバ島のタンボラカ空港の建物もこの形。

この集落にはこの伝統的な形状の家屋が20ほど集まっていますが、家と家の間には特に垣根がなく豚やヤギ、ニワトリといった家畜や、犬などが村の中を自由に行きかって昔ながらの手段生活が営まれていました。

普段、シンガポールという都市国家で暮らしていて、こうした大自然の中で昔ながらの生活をしているローカルたちを初めて見たうちの子供はとても興味深そうにしていました。この村の中にはローカルたちが現地の木や貝殻などで作ったアクセサリーや家具が販売されていて、単にリゾートの売上からサポートするだけでなく、観光客たちから直接収入が得られるようになっています。

前回に、ニヒ・スンバの目の前には全長2キロのビーチがあって、そこはローカルの人が自由に出入りできるようになっていて、漁で捕まえた魚をホテルのレストランで食べられることを紹介しましたが、アクティビティを通じてもリゾートのゲストが自然とローカルの人たちと接して、現地コミュニティについて理解できるようにデザインされています。

岡村聡

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