ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

ニューヨーク 4/4 
ニューヨークのエンタメ・アートシーン

エンリッチ UR NY4

ここまで3回にわたってNYの最新事情を紹介してきましたが、最終回の今回はNYのエンタメ・アートシーンについて紹介します。NYのエンタメと言えばスポーツや音楽など色々なイベントが開催されていますが、観光客に最も人気であるのはやはりブロードウェイのミュージカルでしょう。(NYの初回から読む)

今回のNY訪問ではアラジンとウィキッドの2本のミュージカルを観ました。うちの子供にとってミュージカルを観たのは生まれて初めてでしたが、今回の2ヵ月にわたる欧米の主要都市を巡る視察旅行の中で最も印象的な体験となったようです。現在、妻と子供が生活を送っているシンガポールは、世界中からインターナショナル・スクールが集まっていて、英語と中国語が学べるグローバルレベルの教育が受けられる場所としては魅力的ですが、今回のNY滞在でミュージカルやコンサート、ミュージアムなど情操教育を行える場が増えるがいいと強く感じました。

アラジンは、ディズニーの大ヒットアニメの脚本を元にしていますが、特に魔法のランプの精であるジーニー役のジェームズ・アイグルハート氏の演技が圧倒的でした。大迫力の声量による歌ととてつもないスピードで展開されるダンスで、アニメではCGが駆使されて表現されたジーニーが、まるで現実の物となったかのように感じられました。アイグルハート氏はこのジーニー役で2014年に、ミュージカルで最高の栄誉であるトニー賞を獲得しましたが、それも納得できる圧巻の演技でした。彼はここ数年、毎週8回もジーニー役として出演しているらしく、1回の講演だけでも途轍もない体力を消費することが観ていて分かるだけに、そのバイタリティにも脱帽でした。

ウィキッドも家族全員楽しめたのですが、子供はミュージカルがモチーフとしているオズの魔法使いを読んでいなかったため、ストーリーで理解できないところがあったようです。ただ、それでも感じるところは大きかったらしく、ミュージカルを観た後にオズの魔法使いの映画と、原作となるストーリーを描いたフランク・バウムのドキュメンタリー映画まで観た上に、学校のミュージッククラスで自ら提案して上記の映画で有名になった曲「オーバー・ザ・レインボー」まで練習しています。

折角シンガポールで生活をしていて英語がネイティブとなっているので、シンガポールから遠いですが欧米にもう少し頻繁に旅をすることで、文化面の経験をもっと子供にさせてあげたいと、たった2回ミュージカルを観ただけで、子供の心に強い影響を及ぼした様子を見て思いました。

NYの街を歩いていると、地下鉄やバス停などあらゆるところにミュージカルやコンサート、スポーツイベントの告知がされています。そうしたもののかなりの割合が新作であることから、継続して観客を集められるイベントはほんの1部であることが分かります。世界中から様々な才能が集まり、世界で最も厳しい目を持つ聴衆に鍛えられるNYのエンタメシーンは、ブロードウェイのミュージカルを筆頭にその厳しい競争環境ゆえに高いレベルを保てるのでしょう。

スミソニアン博物館
スミソニアン博物館

エンリッチ UR NY4 スミソニアン2

今回の滞在ではNYに2週間近くいて、うち数日間はワシントンにも足を延ばしたので、NYの代表的なミュージアムをほぼ全てと、ワシントンのスミソニアン博物館やナショナルギャラリーも見ることができました。今回はロンドンでも同じようにミュージアムを周りましたが、歴史的な展示はロンドンにやはり一日の長がある一方、サイエンスやエンジニアリングに関する展示は圧倒的にNYの方が、迫力がありました。

岡村聡

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