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ロンドン 1/3 
世界中から富豪が集まるロンドン

エンリッチ ロンドン1 メイン

これまでもこの連載で、シンガポールや香港、シドニー、チューリッヒなど世界中から超富裕層が集まる都市を紹介してきましたが、ロンドンはこれらの都市を抑えてニューヨークと並ぶ世界最高の富裕層都市です。

表にあるように、英国の大手不動産会社であるナイト・フランク社の最新のレポートによると2015年時点で超富裕層(居住用の不動産を除く純資産が3,000万ドル(約31億円)以上ある人)の人数でニューヨークに続く世界2位となっています。そして、超富裕層の出身国の多様性では世界一でしょう。

ロンドンには先進国からだけでなく、ロシアやインド、中東、最近では中国など世界中の新興国から超富裕層たちが集まってきています。

エンリッチ ロンドン1 データ
今回の視察旅行では、チューリッヒ→ニース/モナコと訪問した後にロンドンを訪問しましたが、大陸欧州の都市と比較して、街を歩いている人たちが圧倒的に多様であることに驚きました。

ロンドンの後にニューヨークに移動しましたが、街を歩いていた時の人種の多様さではロンドンがニューヨークを上回っていたように感じました。なぜ、ロンドンにはこれほど多様な人が集まるのでしょうか。

その最大の理由は、英国がロンドンに世界中から多様な人材を受け入れるという姿勢を明確に打ち出しているからです。


911テロ後に安全保障の規制を強化して、海外からの移民はもちろん、投資家永住権など富裕層の移住も制限するようになっている米国に対して、英国は投資家永住権の制度を近年拡充しています。

永住権が取得しやすいことだけでなく、税制においても英国への移住は海外の富豪にとって魅力的です。英国内の所得には他の先進国並みの税率が適応されますが、海外からの所得については納税額に上限があります。年間の所得が数十億円、数百億円にのぼり、さらにそれらの所得を英国以外の国を中心として得ている富豪たちとっては税率を低く抑えられます

エンリッチ ロンドン1 人々

この連載のシドニーの回で、オーストラリアの投資家永住権制度と、それを利用して中国人の富裕層が数多くシドニーに移住していることを紹介しましたが、英国も同様の投資家永住権制度を用意しています。最低限必要となる投資額も200万ポンド(約2.6億円)と、オーストラリアの500万豪ドル(約3.9億円)やニュージーランドの1,000万NZドル(約7.3億円)と比較してハードルが低くなっています。この制度で永住権を取得して、さらに市民権にアップグレードすることも可能です。

旧ソ連圏や中東、アフリカなど自国の政情が不安定で、自国以外にも拠点を持ちたいと切実に願っている富豪たちにとって、市民権の取得も可能なロンドンへの移住はとても魅力的でしょう。フットボールのプレミアリーグの強豪チェルシーのオーナーであるロシア人のロマン・アブラモビッチも現在ロンドンを中心に生活していますが、2003年にチェルシーを購入した理由は自身の知名度を上げて、当時プーチン大統領と対立した富豪が次々と投獄されたり、資産を奪われたりしている中、欧米メディアからプーチン政権へのバッシングが起きるようにすることで、同じ目に合うことを回避しようとしたためと言われています。

岡村聡

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