ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

アイアンマンとハワイの深い関係

なぜ3.8キロ?なぜ180キロ?なぜ42.195キロ?

それにしてもなぜIRONMAN~ロングディスタンスはこの距離になったのだろうか?

その理由はハワイにあった。

オアフ島には長い伝統をもつ次の3つのレースがある。3.8キロのオープンウォータースイムのWaikiki Rough Water Swim(ワイキキ・ラフウォーター・スイム)、180キロのバイクのロードレースAround the Island Road Race(現在はディック・エヴァンス メモリアルロードレース)、そしてホノルルマラソンだ。時代を遡ること1977年、当時、ジョン・コリンズという軍人がとあるランレースのパーティで、どのレースが最も過酷かを決めるために「このみっつをいっぺんにやってみたらどうだ?」と提案したことが1978年に初開催されたIRONMANの始まりであり、この距離がロングディスタンスの距離に定められた背景なのである。

ホノルルマラソンはもちろんのこと、どのレースもいまだ続けられている。ホノルルマラソンはもちろんだが、ワイキキ・ラフウォーター・スイムも日本からの参加者が増えているように感じる。一昨年は競泳の北島康介選手も参加して好成績をおさめていた。

メルボルンIRONMANをフィニッシュした筆者
メルボルンIRONMANをフィニッシュした筆者

このIRONMANは現在世界各国で年間約40レースが開催されている。70.3と呼ばれるミドルディスタンスも入れれば、100近いIRONMANレースが開催されているという大変規模の大きなレースオーガナイザーだ。そしてこんな過酷なレースであるにも関わらず、人気のレースはエントリーが始まってから数時間でソールドアウトしてしまうのである。

IRONMANレースの最高峰はハワイ島で行われる

そしてこのIRONMANレースの最高峰が、毎年10月にハワイ島コナで開催されるIRONMAN World Championshipだ。このレースは誰でも参加できるわけではない。プロカテゴリーはもちろんのこと、エイジカテゴリーの一般のトライアスリートも同じく、他のIRONMANで上位の成績をおさめ、コナの出場権を勝ち得た者だけが参加できるIRONMANの世界一決定戦である。

トライアスリートの憧れ、ハワイ島コナのIRONMAN World Championshipのフィニッシュゲート
トライアスリートの憧れ、ハワイ島コナのIRONMAN World Championshipのフィニッシュゲート
制限時間になればなるほど盛り上がるフィニッシュロード
制限時間になればなるほど盛り上がるフィニッシュロード

ちなみに日本人アスリートも毎年数十人がこのコナのChampionshipに出場している。その中でも有名なのが御年82才の稲田弘さんだ。ここ数年連続してコナのChampionshipに出場され、一昨年はエイジカテゴリーで優勝、IRONMANファンなら知らない者はいないという有名人である。当然コナでも人気者で稲田さんが通ると沿道の地元ファンから歓声があがるほどだ。残念ながら2013年のレースでは制限時間に5分足りなかったが、最後まであきらめずに走り続けた。制限時間をオーバーした数分後、フィニッシュロードに稲田さんが現れ、ゴールゲートをくぐった時、会場は大きな感動に包まれたのである。

トライアスロンの登竜門におすすめ、ホノルルトライアスロン
トライアスロンの登竜門におすすめ、ホノルルトライアスロン

このようにトライアスロンにとってハワイはまさに聖地。オアフ島のアラモアナで毎年5月に開催されるショートディスタンスのホノルルトライアスロンは日本人アスリートにも大人気で、今年も600人ほどの日本人が参加した。ぜひこれからトライアスロンをやってみたいと思う方、初レースにはホノルルトライアスロンを強くお勧めする。

●IRONMAN Official Site http://ap.ironman.com/#axzz32uG6dWbw
●ホノルルトライアスロン公式サイト http://honolulutriathlon.jp/


田島弓子(たじまゆみこ)
2007年にマイクロソフト株式会社を退職しキャリアアドバイザーとして独立後、東京とハワイのデュアルライフを始める。東京滞在中はブラマンテ株式会社 代表取締役 田島弓子としてキャリアや社員育成に関する講演や研修、ビジネス書や専門誌等への執筆など仕事中心の生活を送り、ハワイ滞在中は趣味のトライアスロンのトレーニングを中心とした生活を送ること現在7年目。世界各国で行われるトライアスロンのレース遠征を兼ねた旅行先での世界遺産巡りとグルメが目下最大の楽しみ。

田島弓子

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