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キャッシュレス決済の利用シーン拡大 2/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月は拡大するキャッシュレス決済の利用シーンについて解説。(1/3から読む)–––

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全国各自治体の窓口でも
キャッシュレス決済を導入

電車やバスといった公共交通機関だけではなく、行政サービスでもキャッシュレス決済の導入は盛んです。

例えば、大阪府は昨年12月から、府庁本館・別館、咲州庁舎の手数料窓口納付で、現金のほかにクレジットカード、電子マネー、スマホ決済が選べるようになりました。クレジットカードはVisaとMastercardのふたつですが、電子マネーはICOCAやKitaca、Suicaをはじめとする、ほとんどの交通系電子マネーに対応。スマホ決済はLINE PayとPayPayを使うことができます。

兵庫県尼崎市は1月から、インターネット経由による市税のクレジットカードやネットバンキングでの納付を始めました。対応するクレジットカードは、Visa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ。金融機関は三井住友銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行のメガバンク系と、あとは京都銀行、山陰合同銀行、みなと銀行などの地方銀行、その他、JAバンク、大阪信用金庫、尼崎信用金庫なども利用できます。対象の税目は市県民税、固定資産税・都市計画税、軽自動車税。ただし、クレジットカード納付は1件当たり1~1万円までが100円、以降は1万円増えるごとに100円、ネットバンキングは1件当たり金額に関係なく100円です。

東京都渋谷区も1月に入り、各種税金に支払いに対して、従来のクレジットカード納付(Visa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ)やネットバンキング納付に加えて、PayPayやau PAY、Apple Pay、PayB、楽天銀行アプリ、さらにゆうちょPayやYOKA!Payといった銀行Payが支払い方法に追加されました。対応税目は特別区民税・都民税、軽自動車税、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料です。クレジットカード納付だと手数料がかかりますが、新たに加わった方法だと手数料が発生しません。支払方法によっては支払い時にポイントも付与されます。

福島県福島市も郡山市は同じく1月から、行政窓口・市営施設でのキャッシュレス決済を始めました。使えるのは、Visa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、銀聯の国際ブランド付きカード、iD、Suica、nanaco、WAON、楽天Edy、iDの電子マネー、LINE Pay、PayPay、d払い、メルペイ、au PAY、ゆうちょPay、ALIPAY、WeChat Payと、中国系の決済サービスを導入しているのが、他と違うところ。福島市では、住民票や戸籍証明、印鑑登録証明、税証明などが対象で、郡山市は26種類の証明書発行手数料が対象になります。

このように、自治体によるキャッシュレス決済の導入事例は非常に多く、他にもYahoo!公金払いなどのサービスを加えると、かなりの税目や国民健康保険料、年金が現金を使わずに納付することができます。業務の効率化はもちろん、コロナ禍においては感染リスクの軽減になったり、窓口での待ち時間が短くなるなど、市民サービスの改善につながるでしょう。

–––自治体でも始まっている、キャッシュレス決済の導入。より利便性の高い行政サービスが実現しそうだ。次回は、コロナ禍におけるプレミアム系クレジットカードの在り方について考察しよう。

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菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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菊地崇仁

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