ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

ニース 1/2 
観光地としての国際化が進むニース

チューリッヒでスタートした本連載の欧米編ですが、次はニースについてです。ニースは日本でも大々的に報道されていたように、多くの方が命を落とした痛ましいテロが7月に発生しました。私たちが滞在していたタイミングでのテロだったので、多くの友人・知人の方から心配するメールを頂きました。幸い私たちが滞在していたホテルは海岸から遠く離れていて、翌朝になって日本からのメールを見て事件に気づいたほど、ホテルの周辺は普段と変わらない雰囲気でした。ただ、テロの為に海岸に沿った観光エリアが封鎖されてしまったので、早めにロンドンに移動しました。

この連載では主に経済面についてグローバル都市の魅力を解説しますが、ニースについてはテロが滞在中に起きてしまったこともあり、社会的なポイントについても触れたいと思います。ニースはフランスで最も南東に位置する都市で、お金持ち都市として知られるモナコにも電車で30分ほどのコートダジュールを代表する観光都市です。今回の滞在でもニースとモナコの両方の都市お訪れましたが、モナコについては9月のヨットショーの様子と合わせて紹介したいので、ニースの次はロンドンについて執筆する予定です。

エンリッチ ニース 2

ニースを訪れたのは実に12年ぶりのことでしたが、観光客の人数が大幅に増え、さらに人種が多様になっていることに驚きました。

エンリッチ ニース 3

その中でも中国人の姿が圧倒的に目立ちました。私たちが宿泊していたホテルでもほとんどの宿泊客が中国人で、前回に滞在したときは欧州からの観光客が中心だったので隔世の感がありました。この連載は各都市について関連する富豪を1人選んで、その人物と絡めながら執筆するスタイルを取っていますが、ニースに関連する代表的な富豪にも中国人を選びました。

その人物とは、天津に本拠を置き190ヵ国以上でバイオテクノロジー・教育・小売り・観光業など多角的なビジネスを展開する企業Tiens Groupを率いる李金元氏です。なぜ、この中国人実業家がニースと関連する富豪かというと、社員6,400人を引き連れて昨年5月にニースを旅して、ギネス記録を樹立したからです。この社員旅行は色々と桁違いでパリとニースで2泊ずつして費用は合計で40億円を超えたようです。

ニースは今回の滞在でも感じましたが、世界中から観光客が増えている割には大規模な宿泊施設があまりありません。そのため、上記の社員旅行ではニースだけでなく近くにあるモナコやカンヌも含めて4つ星以上のホテル79軒に分かれて宿泊しました。そして、この旅行の締めくくりとして大型バス150台で全参加者がニースの海岸沿いにある「プロムナード・デ・サングレ」に集まって、「コートダジュールのニースはTiens(社名)の夢」というニースを讃える人文字を作りました。この人文字は上空から読み取れる最長のものとして、ギネスブックにも認定されました。

この「プロムナード・デ・サングレ」は、今回の惨劇が起きた場所です。中国人観光客の勢いを象徴する催しが行われた場所と同じところで、悲劇的なテロが起きてしまったことはその対照性も含めてあまりに悲しいことであると感じます。

岡村聡

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