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The Style Concierge

待つのが嫌いな人は成功しやすい

自動運転車は究極のゲームチェンジ

例えば、行列になっているお店に並ぶのが嫌であれば、そもそも話題になっている店に興味を持ったり、食べに行かなければよい。単純な話だが、これはビジネスでは極めて重要な概念といえる。

皆が参加しているゲームには多くのライバルが存在しており、その中で大きな成果を上げるのは極めて難しい。しかし多くの人が参加するゲームから退出し、自分でゲームのルールを作ってしまえば、そこは自分だけの世界となる。

ライバルがまったくいない市場を創造し、そこで勝負するという経営手法をブルーオーシャン戦略と呼ぶが、これはベンチャービジネスを成功させる一つの定石となっている。

以前、このコラムでは飛行機のビジネスクラスの利用について論じたことがあったが、お金持ちがわざわざビジネスクラスに乗り、街中で公共交通機関をあまり使わないのは、単に贅沢をしたいからではない。不特定多数の人と関わるという汎用的なゲームから離れるためでもあるのだ。

駅構内での乗客同士のトラブルはその最たるものだが、多くの人と関わる場所には、リターンを極端に減少させるトラップがあちこちに仕掛けられている。我慢を重ねてこうしたトラブルに巻き込まれないようにするというやり方もあるが、一定のコストをかけることでリスクを回避し、自分のゲームにチェンジできるのなら、ビジネスクラスのチケットやタクシー代など安いものである。

近い将来、自動運転車が街中を走るようになると考えられているが、待つのが嫌いで、自分のゲームを戦いたい人にとって、自動運転車は魅力的なサービスとなるに違いない。自動運転のサービスがあれば、移動の時間をすべて自分のゲームに費やすことができる。

さらにAIを使ったサービスが普及すれば、お店の予約や会合のアポイント設定、そして現地までの移動がシステム上で自動化できるようになるだろう。これは究極の自分ゲームであり、多少コストが高くても、積極的に活用する人が多数、出てくるはずだ。

数年後には自動運車の活用がリッチであることのシンボルのひとつとなっているかもしれない。

*この記事は2018年10月に掲載されたものです

加谷 珪一 (かや けいいち)

経済評論家。東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。マネーや経済に関するコラムなどの執筆を行う一方で、億単位の資産を運用する個人投資家の顔も持つ。著書「お金持ちの教科書」(阪急コミュニケーションズ)ほか多数。

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