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自身に対する過大評価は、確実にお金を遠ざける

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多くの人がお金持ちになりたいと思っているにもかかわらず、それを実現できずにいる。だが、お金持ちの人に言わせると、お金持ちになることはそれほど難しくないという。両者には大きなギャップが存在するわけだが、ここにはお金持ちになるための重要なヒントが隠されている。今回のコラムは、少々、手厳しい内容かもしれないが、重要なことなのでご容赦いただきたい。

すぐに反論する人は、お金持ちになりにくい

ストレートに言い切ってしまうと、お金に縁のない生活を送っている人の大半は、自身に対する評価が過大である。自己評価が過大なので、適切な場面で適切な行動が取れず、大きなお金をつかむチャンスを逃してしまうのだ。

このような話をすると「お金持ちにこそむしろ傲慢な人が多い」「自分のことをスゴいなどと思ったことはない」といった反論が返ってくる。だがお金持ちに言わせると、この反論そのものが、自己の過大評価から来ているという。

人は誰でも自分の価値観や考え方を絶対だと思ってしまう傾向を持っている。単純計算や人名の間違いといったものであれば、ミスであることがはっきりしているので、指摘されれば受け入れるという人は多いかもしれない。だが価値観や物事の考え方には、外部から与えられる唯一の正答というものがない。それ故に、自分の中で固まってしまった価値観について疑ってかかることがないという人が大半なのだ。

お金がない人は自己評価が高すぎる、という話を聞いた時、それは違うのではないか?という感覚を持つところまではよい。だが、それが何の疑問もなく、即、反論になってしまっている段階で、すでに自己の過大評価にどっぷり浸かってしまっている可能性がある。

もし自分自身について少しでも疑ってかかる気持ちがあるなら、こうした意見を耳にした時、「それはどういうこと?」という質問になるはずだ。自分の価値観が絶対であると考えていない人は、自分と異なる意見に出くわした時、すぐに反論するというパターンにはならないのである。

お金がない人はよく「自分はそれほどお金が欲しいとは思わない」「お金持ちの生活は幸せとは限らない」と断定的なセリフを口にしている。お金持ちの生活が幸せとは限らないというセリフが、現実のお金持ちの人から発せられたのであれば、それは傾聴に値するだろう。

だがお金持ちになった経験のない人は、お金持ちの生活がどのようなものなのか知らないはずである。お金持ちの経験がないのに、なぜ、幸せとは限らない、自分はそれほどお金が欲しいとは思わないと言い切れるのだろうか。もしお金がないことに対する強がりや悔しさでそう言っているのであればまだよいが、そうでない人も多い。

加谷珪一

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