ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

これからの資産形成には
ファミリービジネスの感覚が必要 3/4

エンリッチrichmind6-3

前回は、お金持ちになるためには、家族の収益を最大化させるという概念を持つことや、夫+妻+夫婦という3の財布を持つことが重要という話をした。新しい収益源を作ろうと思ったら、何らかのリスクを取ることについて決断する必要が出てくる。この時にモノをいうのは家族の理解である。

*この記事は2016年8月に掲載されたものです。

とりあえず嫁ブロックはしてみた方がよい

このところ嫁ブロックという言葉を目にする機会が増えてきた。嫁ブロックとは、独立や転職を考える夫に対して、妻が反対することを指す言葉である。国民的グループであるSMAPの独立騒動で、キムタクの妻である工藤静香さんが独立に反対したと伝えられたことから、あらためて嫁ブロックという言葉が注目されることになった。

キムタクの場合には、無理に独立しない方が経済的な利益が圧倒的に大きいと考えられるので、静香さんの行動は、ブロックどころか最適なアドバイスだったのかもしれない。しかし多くの人にとっては、今のまま動かない状況が続くと大きな稼ぎは得られない可能性が高い。一方で、失敗するリスクというものを考えると、思い切った行動に対しては躊躇してしまう。ここでパートナーがどう反応するのかで状況は大きく変わってくることになる。

では実際にパートナーが何か新しいことにチャレンジするという場合、相手はどう反応すればよいのだろうか。筆者はポジティブな意味で、嫁(夫)ブロックをするのがよいと考えている。その理由は、パートナーからのとりあえずの反対は、今後の行動の試金石となるからだ。

筆者は仕事柄、人から起業などの相談を受けることが少なくない。中には真剣にアドバイスしたいと思える人もいるのだが、多くがいわゆる「独立したい病」である。

口では独立したい、事業を興してお金を稼ぎたい、投資をしたい、と言うものの、実際には行動に移さない人のことである。このようなタイプの人には現実を教えてあげるのが一番である。

相手がエリート・サラリーマンなら「独立するとゴールドカードが作れなくなりますよとか「自営業者になると年金は全額自己負担になりますよ」「大企業の看板がないと、紹介があっても人に会ってもらえなくなりますよ」などと言えば、大抵の人は行動を諦めることになる。

同じように、嫁ブロックに遭っていて、なかなか決断できないという相談も数多くあった。そのような時には、「嫁ブロックを突破できていない段階で、あなたには実業家としての才能がゼロなので、諦めた方がいいですよ」とかなり厳しくアドバイスしていた。

加谷珪一

Return Top