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住友林業「The Forest Barque」
木を活かした事業用建築の魅力に迫る

「多文化共生」を体現するさまざまな機能・設備

エントランスホールの正面にも小庭があり、南側に配置した窓と同じく太陽光が室内に降り注ぐ。矢橋グループの3つの主事業である木材・金属・石灰を使い表現した世界地図はひと際目を引く。

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エントランスホール。正面に小庭、右には矢橋ホールディングスの主事業で表現した世界地図がある。

市松模様の無垢のフローリングやオリジナルの造作材をふんだんに使用した応接室は、その美しさや落ち着いた佇まいから、来客者を驚かせるという。

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市松模様のフローリングが際立つ応接室。家具などを含め、すべての木材は矢橋グループの製品を使っている。

エントランスホールを奥に進むと目に映るのは、和室とギャラリーだ。定期的に国や地域を入れ替えるそうだが、この日の展示スペースにはベトナムの伝統工芸品が並べられていた。

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海外を知るためのギャラリー。細かい意匠による銀細工の名刺入れなど、ベトナムの工芸品などが展示されていた。
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茶道をたしなめる和室。正座する必要がなく、外国籍の従業員も楽しみやすい。

多国籍出身や女性の従業員への配慮として、授乳室兼礼拝室も用意しており、利用者は少なくない。こういった形でも、多文化共生を形にしているのだ。

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ギャラリーの近くには授乳室兼礼拝室も。

『SAXIA』があることによる変化

矢橋グループの従業員たちにとって、この施設はどういう場所なのか尋ねた。

「どれだけ鉄骨の技術が発達しビルが高くなっても、人間は身体の奥底で木を求めていると思います。一般住宅で木造平屋が流行っているのも、そういった理由があるからでしょう。こうしたなか、これだけの規模の木造建築を表現できたことは、非常に有意義に感じています。かつ、さまざまなバックボーンを持つメンバーが集まれる場所ができたことも、嬉しく思います」(前出・河添氏)

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取材にご協力いただいた、ヤバシインターナショナル・ドーティハンホア氏(ベトナム出身)、ナンイタンダーボ氏(ミャンマー出身)、矢橋ホールディングス・管理本部 人事総務部/広報部 森千晃氏(左から)。それぞれの国の民族衣装をまといインタビューに応えてくれた。

「以前は社宅で昼食をとっていましたが、『SAXIA』ができてからは、ここで食べることが増えました。今まで会ったこともない従業員と知り合い、一緒の時間を過ごしています。個人的に広い空間が好きなので、ホールの居心地が抜群です。食堂としてだけではなく、家族会をはじめ、いろんな社内行事などに使ってほしいです」(ヤバシインターナショナル・ミャンマー出身のナンイタンダーボ氏)

「木造なのであたたかい雰囲気を感じます。床から天井まで木ばかりなので、まるで自分の家のよう(笑)。建物もそうですが庭も広く、なかなか見られない空間に満足しています。昼食時はエントランスから手洗い、配膳までの動きもスムーズで、使い勝手に優れています」(ヤバシインターナショナル・ベトナム出身のドーティハンホア氏)

「当社はアットホームで働きやすく、ストレスがたまるような職場ではありません。さらに『SAXIA』では仕事と異なる空間を味わえるので、よりリラックスできます。日本の木造建築は風通しが良いので、夏は涼しく、冬も暖かく過ごせるので、これからの季節も安心です」(矢橋ホールディングス・管理本部 人事総務部/広報部 森千晃氏)

「ここから車で15分ほどにある本社に勤めていますが、ここにいる皆さんにまざりたく、ほぼ毎日通うほど気に入っています。そんな従業員は多いかも(笑)。海外の料理も大好きで、『SAXIA』で食べる昼食が定番になりました。何よりも会社を誇らしく思うのは、豊かな感性の建物を社員のために作ったということです。庭にも四季の移ろいを楽しめるように落葉樹を植えるなど、『心豊かな暮らし』をテーマに住宅事業を展開する当社の思いを形にしています」(矢橋ホールディングス・管理本部 広報部 課長 北川陽子氏)

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他の従業員とのコミュニケーションの場であったり、ほっと一息つく場であったり、『SAXIA』の果たす役割は大きく、従業員にとってなくてはならない場所になった。そして、この一大プロジェクトを支えたのが、住友林業の『The Forest Barque』。木の魅力を最大限に活かす事業用建築ブランドとのコラボレーションが、矢橋グループが掲げる「人間探究」や「多文化共生」の理念を叶えたといえるだろう。


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