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フェラーリ ローマ 試乗レポート

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ローマはインテリアも進化している。先に発表されたフェラーリ初の市販型ハイブリッドモデル、SF90ストラダーレと共有するパーツが目に付く。デジタル表示のメーターやシフトレバーのデザインがそんなところ。これまでより未来的だ。さらに言うと、スターターボタンとマネッティーノのスイッチも様変わりしている。スターターはステアリング上の一番下を触れるだけ。正直赤いスイッチが無くなったのは残念だが、それが進化と言うものだろう。

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では、実際に走らせた印象だが、ポルトフィーノより20馬力アップした620馬力(フェラーリ流の表記では620cv)を発揮するV8ターボはかなり力強い。しかもフィーリングがターボ然としてなく、底回転からスーッと上まで回るのが気持ちいい。7500回転までしっかり回せるのがたまらない。彼らならではのレーシーで官能的な高回転型だ。

クルマはそれ自体軽く感じフットワークはめちゃくちゃ軽快。二回り小さいボディサイズのロードスターでも運転している感覚となる。

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この辺はクルマ自体のバランスがいいことの証だろう。ボンネット開けるとわかるがエンジンはかなり奥に入っているし、ギアボックスもリアに積むトランスアクスル方式を採用している。しかもこのギアボックスはドライサンプ式だ。

マネッティーノはたまに“レース”にして走るとして、普段は“コンフォート”で十分。GTカーとしての躾はよくできていて、快適なドライブが楽しめる。イタリア貴族のような優雅なドライブだ。

と言うのがフェラーリローマの概要。思うに、これまでフェラーリに興味なかった人とか、アンチフェラーリ的な人の興味を誘うのではないだろうか。

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ちょっと貴族的なGTカー。そんな雰囲気を味あわせてくれる新種である。

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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