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ベントレー コンチネンタルGT V8コンバーチブル

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2020年、コロナ禍において自動車業界はかなりがんばったと思う。緊急事態宣言が発令された上半期の販売台数の低下は恐ろしいものだったが、下期になってそれを巻き返している。結果、日本における輸入車の販売台数は前年比約-8%にとどまった。一時生産ラインが止まったことを考えればこれは驚異的であろう。しかも中には2019年をしっかり超えているブランドもいくつかある。ジープやアバルトのようなエッジの効いたブランドが輩出するモデルは好調のようだ。

国内では台数を落としたが、グローバルでは伸びたブランドもある。ここで紹介するベントレーがそのひとつ。2019年が1万9台だったのに対し、2020年は1万1206台を稼いだ。3ヶ月間クルーの工場が止まったことを感じさせない数字である。

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昨年12月、そんな好調のベントレーでロングドライブテストを試みた。クルマはコンチネンタルGT V8コンバーチブル。日本での登録ホヤホヤの車両だ。

コンチネンタルGTシリーズは言わずと知れた2ドアのパーソナルカー。現行型は3世代目で、これまでのように6リッター12気筒エンジン車のクーペから展開をスタート。コンバーチブル、V8エンジン車とラインナップを拡充してきた。その意味ではV8コンバーチブルで一段落ともいえるだろう。この後は新型ベンテイガやハイブリッドモデルが待ち構えている。

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コンチネンタルGT V8コンバーチブルはその名の通り、V8エンジンと屋根の開くコンバーチブル機構が特徴だ。デフォルトをクーペとするならそこに上品でクラシカルな雰囲気を取り入れた。

その4リッターV8ツインターボエンジンは最高出力550ps、最大トルク770Nmを発揮する。数字だけでもわかるようにとてつもないパワーだ。アクセルを踏み込むと底知れぬそのパワーが溢れ出し、レーシングカーのようなエキゾーストサウンドを轟かせながら加速する。ベントレーがスポーツカーブランドであることを意識させる瞬間だ。

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もちろん、それでもクルマが挙動を乱すことはない。統合制御された電子デバイスの恩恵で高い操縦安定性が保たれる。どこまでもジェントルに躾けられているといった印象だ。また、回転数を上げなくても心地よいのがベントレーの長所。太いトルクが低回転で発生するのでロングドライブが疲れない。

九島辰也

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