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【57】築年数の古い地方ワンルームマンションはどう扱うべき?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回の質問者は、地方に所有するワンルームマンションの扱いに困っているようです。内藤氏のアドバイスを聞いてみましょう。ーーー

築年数の古い地方ワンルームマンションはどう扱うべき?

Q(質問者):地方にワンルームマンションを保有しています。築年数がかなり古いのですが、このまま保有し続けた方が良いか、それとも売却した方が良いかアドバイスをお願いいたします。

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A(内藤氏):不動産投資の基本は、需給の変化を長期で捉えることです。そして、需給のうち需要を決めるのは人口動態になります。

2019年9月時点で日本人の人口は1億2615万人で、これは前年同月に比べて27万人が減少しています。少子高齢化のもと、総人口が減っている中で、人の流れは東京を中心とする首都圏に向かっています。その中でも顕著なのが東京です。同じく19年9月時点の人口は前年同月に比べると9万5741人増えていて、1393万5651人になりました。

なお、都道府県別で人口が増えているのは、東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、沖縄などごく一部に限られ、他の地域は減少を続けています。

このような環境下で、地方のワンルームのような単身者向けの物件は、今後ジリジリと需要が減少していくリスクがあると言えます。

保有している不動産のエリアに精通し、今後の不動産マーケットを見通すことができるような目利きに自信があれば別ですが、将来に対して明確な見通しが持てないのであれば、東京23区のようなニーズの高いエリアにシフトする方が安全です。

築年数が古くなってエリアの人気が低下すると、空室期間が長期化して月々の家賃収入が得られないばかりか、売却の際にも買い手が見つからず、出口が無くなってしまうという最悪のケースも出てきます。

ただし、慌てて売却する前に、物件の入れ替えのコスト(手数料、税金)を見積りましょう。それと、入替によるメリットを比較して、長期的な収益の安定化という観点から最終判断を下すことです。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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