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【54】賃貸アパート経営のリスクとは?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回の質問者は、親から相続した土地に賃貸アパートの建設を検討しているようです。よくある話ですが、リスクはないのでしょうか。ーーー

賃貸アパート経営のリスクとは?

Q(質問者):親から相続した古い家付きの土地があります。これを更地にして、賃貸用のアパート建設を薦められているのですが、どんなリスクがありますか?

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A(内藤氏):賃貸アパートを建てると安定的な家賃収入が入り、キャッシュリッチな生活が待ち受けている……。不動産経営というと、こういったイメージを抱きがちですが、実際のところ、不動産は立地に合った上物を建てないと、効率的な土地活用が実現できず、想定したリターンが得られない結果になってしまいます。

例えば、駅の歓楽街の近くにファミリータイプのマンションを作っても、子どもの教育を考えて入居したいと思う人は少ないでしょう。逆に、駅から多少距離があるものの、自然に囲まれた環境のエリアにワンルームマンションを建てたところで、利便性を重視するシングル世帯には受けないかもしれません。あるいは、人通りの少ない住宅地に店舗用の建物があっても、高い賃料は取れないでしょう。

土地の有効活用ということであれば、建設する物件を地域特性と照らし合わせ、賃借人のニーズに合っているかどのかをまず考えましょう。

ご自宅として使われていた土地にアパートを建設する計画のようですが、閑静な住宅地であれば、一戸建てに住みたい人は多いでしょうが、そのような場所が賃貸アパートに最適とは限りません。同じ住宅であっても、賃貸物件の場合、求められるニーズが異なるのです。

単身者なら鉄筋コンクリートのワンルームマンションで、駅から近い利便性の高い物件の方が賃貸ニーズは高くなります。また、ファミリータイプの場合は公園が近かったり、近隣の保育園、幼稚園などの施設が充実していることも重要です。

内藤忍

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