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2018年 新春特別編 3/4

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。1月は、「新春特別編」をお送りしているが。今回は仮想通貨について話題を掘り下げよう。(1/4から読む)ーーー

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投機の対象として異様な盛り上がり
ただし、運用先としては心もとない

2017年後半はビットコインをはじめとする仮想通貨が話題を集めました。年前半は1BTCが10万円台で推移していたのに、12月になると一時は200万円を超える過熱相場に…。日本人のみならず世界中の人が買いあさった結果ですが、これにより1億円以上の資産を築く「億り人(おくりびと)」も生まれました。

一見すると魅力的に映る仮想通貨ですが…投資ではなくキャピタル狙いの「投機の対象」です。日本でもビックカメラなど決済に使える場所は徐々に出てきましたが、価格変動が激しくて価値の移動手段としてはリスキーですし、富の貯蔵場所としても機能していません。一方で、コロンビアやベネズエラのような政変が起きている国で自国通貨をビットコインにするという逃避通貨としての使われ方もでています。資産防衛的な動きもありますが、通貨として信認があるかというと、まだまだ疑問が残ります。

また、仮想通貨の種類は1000以上とも言われ、ビットコインに次ぐ時価総額を誇る「イーサリアム」、日本生まれの「モナコイン」など様々。ただし今後は、淘汰されていくと思います。ビットコインからも「ビットコインキャッシュ」が派生して生まれ、さらには「ビットコインダイヤモンド(BTD)」、「ビットコインゴールド(BTG)」など、新たな仮想通貨も。従来のビットコイン派と処理速度の遅さなど問題点を解決するやり方を提案する人が対立した結果、このような動きになっているわけです。ビットコインダイヤモンドであれば、所定の取引所にビットコインを保管していると、1BTCの保有者には10BCDが無料配布されるなど、プレミアムもあったようです。そうすると、今後も将来の分裂を期待してビットコインを買う人が出てきてもおかしくはありません。

内藤忍

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