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カンボジア不動産投資 2/4

エンリッチ プノンペン

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。8月は、アナキャムパートナーズ株式会社の竹口淳社長をゲストとともに、カンボジア不動産投資について対談を行っている。(1/4回から読む

デメリットよりも
メリットが際立つ不動産投資

内藤 東南アジアのなかでも、なぜカンボジアの不動産投資が日本人にとって魅力的だとお考えですか? 

竹口 まず、米ドル建ての投資であるということ。馴染みのない為替を把握するのは困難ですし、結局のところ、米ドルは外貨のなかでも日本人にとって馴染みがあり、リスク対策も比較的、取りやすいでしょう。米国経済が世界全体の4分の1超を占めるという事実からも、通貨の安定性としては認めるところです。

また、資金を入れても出せない国が多いなか、カンボジアには送金規制がなく、資金の出し入れが容易というのもポイント。かつ、そこそこ高利回りでインカムゲインがまわり、グロスだと10%、ネットで8%という水準です、長期で運用すると、資産インフレメリット、経済成長の恩恵に預かれる可能性もあります。
不動産の所有についても、外国人(カンボジア人以外)は、土地を購入することはできませんが、建物の2階以上の部分については所有が認められています。また、現地パートナーと共同した合弁会社(現地資本51%以上)であれば、土地の所有も可能です。

内藤 デメリットはいかがでしょう?

竹口 プレビルドで販売するので、完成前に転売しづらい点が挙げられます。現地の方は完成までの2年間で均等返済を行いますが、日本人を含む外国人は契約時に50%など多くを支払う代わりに割引を受けることから支払サイクルが異なり、現地向けに完成前物件を売るのは難しい場合が多いでしょう。
また、流動性も十分ではなく、短期の換金も簡単ではありません。オーダーから売却まで通常3~4カ月、半年かかることもあります。

内藤 メリット・デメリット両方がありますが、トータルで考えるとプラスの面が大きいと考えていいでしょうか。

竹口 不動産マーケットは発展途上にありながら、良い物件が増えてきました。一方で、アジア不動産はキャピタルゲインの期待はあるものの、賃貸がつかないという悪評も…。実際、他の国の事例では、完成から2年が経つのに稼働率が50%を切る物件もあるようです。しかしながら当社は、カンボジアに根を張ることでコネクションを増やし、95%と高い稼働率を実現しています。物件そのものも大事ですが、賃貸がつかないとただの箱ですから。当社も紆余曲折があり苦労しましたが、いまは販売だけではなく、管理会社としても展望があり、リセール(投資家のEXIT)もシンガポール、香港、台湾の同業他社と提携を結び、こういった国々の投資家に転売できる体制を構築しつつあります。

内藤忍

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