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最新クレジットカード&セキュリティ事情 2/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。前回は世界初の「ロック機能」を搭載したクレジットカードに触れたが、2回目はカードやモバイル決済と取り巻くセキュリティ事情についてお話いただこう。(1/3から読む)ーーー

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従来のセキュリティだと
犯罪被害を100%防げない

三井住友カードと米Dynamics Inc.が提携して発表した、ロック機能付きクレジットカードの「MAMOLEAD」。盗難やスキミングといった被害がなくならないなか、とても興味深い取り組みです。2018年中にはリリース、申込受付を開始する予定ですから、続報があればお伝えしましょう。

なぜこういった最先端のセキュリティを搭載したクレジットカードが登場したのでしょうか。先に申し上げた通り、カードを取り巻く犯罪・被害は後を絶ちません。少し古い情報ですが、日本クレジット協会の調べによると、2012年は約68億円だった不正使用被害額は、2015年には約120億円に、ほぼ倍増。内訳を見ると、番号盗用が62.6%、偽造カードが22.4%となっています(2016年)。

番号盗用が多くを占めるのは、ネットショッピングの普及と関係します。カード番号と有効期限を盗み取りECサイトに入力し、ホルダーになりすまして買い物をするわけです。店頭と違って対面ではないので、怪しまれることがありません。しかも近年は1万円以下など少額被害が増えていて、これだとカード会社の監視の目をかいくぐる可能性が高く、被害者も毎月の明細書をしっかりと目を通す人は少なく、少額であれば見落とすこともあるようです。

そもそも、現状だとクレジットカードのセキュリティは、サインやICチップ、裏面(一部カードは表面)に記載されたセキュリティコードに依存しています。

店頭の買い物では、いまだサインが主流です。「サインは模倣されるから危ない」という理由で、ICチップとパスワード入力というケースも増え、いまでは一般化しています。

ここで注意したいのは「裏面の署名欄にサインをすると真似されて危険」と考え、署名をしないでカードを利用する人が一部いるということです。これは本末転倒な話で、仮に署名なしのクレジットカードで被害にあったとしても補償は得られませんから、絶対にやってはいけません。いまさらの話ではありますが、必ず署名してから利用しましょう。

ただし、いずれにしても従来のセキュリティ方法は、カード自体が盗まれたり、カード情報を盗み見されると意味がありません。とくに、ネットショッピングだと、簡単に悪用されてしまいます。

菊地崇仁

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