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何に対してお金を払うのか

kaya1808a

多くの人は、欲しいモノを買うためにお金を払う。つまりお金は欲しいモノを手に入れるための道具ということになる。これは間違ったことではないが、お金持ちのお金の使い方は、これとは少し違っている。お金持ちの人は、欲しいというだけの理由ではお金は払わないのが普通だ。

必要性のないモノには支出しない

お金持ちの人がお金を使うのは、「必要なモノ」に対してだけである。では必要なモノとは何かというと、それは将来、さらにお金が増えるような支出、つまり「投資」である。

お金持ちの人たちは、不動産や株式、あるいは事業に対する支出が大好きである。

投資というのは、食べたり、旅行したりといった通常の支出とは異なり、何かの効用を得るためのものではない。投資用の不動産や株式を買っただけでは、喜びや満足感を得ることができないのは明らかだろう。

不動産に投資をすれば、将来それが値上がりしたり、家賃収入が得られるので、不動産への支出は結果的に新しい富を生み出すことになる。それは株式投資も同様である。株式投資とは本来、事業に対してお金を出すという行為なので、事業が上手くいけば、値上がり益や配当などを享受できる。

投資から得られる利益こそが、投資によって得られる最大の喜びであり、お金持ちはこの利益を狙って不動産や株式に積極的にお金を投じている。極論すれば、お金持ちの支出というのは、すべてが投資に結びつくものなのである。お金持ちはますますお金持ちになるといわれるが、その理由は明白である。彼等は新しいお金を生み出す支出、つまり投資が大好きだからである。

不動産や株式は見るからに投資という支出だが、一般的な支出に見えるものであっても、そこには必ず投資という視点が存在している。

お金持ちの人で電車やバスといった公共交通機関に乗る人は少ないのだが、それはハイヤーやタクシーなどプライベートな移動手段を使うことが、間接的に自身のキャッシュフローを増やす結果になると認識しているからだ。

年収1000万円くらいまでのレベルであれば、その仕事の中身はともかくとして、労働時間を提供した対価としてお金を受け取るという側面が強い。だが年収が2000万円を超えるような人や、総資産が数億円という話になってくると、もはや労働時間の対価でお金を得るという状況ではなくなってくる。

判断したり決断するということが仕事になってくるので、できるだけ自分のペースで仕事をこなす必要が出てくる。周囲の環境に邪魔されずに物事を考えたり、関係者に連絡を取る必要が出てくるため、できるだけ公共空間での異動を避けるようになる。やむを得ない場合でも、いつものペースをできるだけ崩さないような工夫が必要だ。

加谷珪一

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