ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

何に対してお金を払うのか

プレゼントは思い切って奮発した方がよい理由

飛行機のビジネスクラスはかなり高い出費だが、それでも多くのお金持ちがビジネスクラスしか利用しないのは、普段の環境をできるだけ維持したいからである。

もっとも飛行機の場合、単価が高いだけで、バスや電車と同じように不特定多数の人が同じ時間に利用する典型的な公共交通機関である。他に手段がないので、やむを得ずビジネスクラスを利用しているわけだが、米国の場合、状況は年々、変わってきている。

米国ではビジネスジェットが急激に普及したことから、ネットを使って空いている機材を調達し、もっとも安い値段で利用するサービスが発達している(ビジネスジェット版のシェアリング・サービスと思えばよい)。このため、区間や時間帯によっては、飛行機のファーストクラスとそれほど大差ない料金で利用できる。

このため、超がつく富裕層でなくても、ある程度の資産を持った人は、結構な頻度でビジネスジェットを利用するようになっているのだ。こうした支出は彼等にとっては投資なのである。

他人へのプレゼントや食事をおごる時に大判振る舞いするのも、投資という感覚が存在していればこそである。そもそもプレゼントや食事をおごるという行為は、それによって何かを手にできるわけではないので、極めてバーチャルな支出といってよい。

どうぜバーチャルな支出なら、相手を喜ばせたり、その場の雰囲気をより良いものにできた方が、最終的には自分への利益につながってくる。そうであるならば、こうした支出をケチってはいけない。相手がビックリするようなプレゼントを買ってあげた方が圧倒的に投資対効果は大きいのだ。

加谷 珪一 (かや けいいち)

経済評論家。東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。マネーや経済に関するコラムなどの執筆を行う一方で、億単位の資産を運用する個人投資家の顔も持つ。著書「お金持ちの教科書」(阪急コミュニケーションズ)ほか多数。

連載コラム

tomobata_
加谷珪一 著
 
「共働き夫婦のためのお金持ちの教科書 30年後もお金に困らない!」
CCCメディアハウス 1,404円
 
マイホーム、貯蓄と投資、保険、子どもの教育費、親の介護と相続…大きく増やすために、大きく減らさないために、今できることとは?共働き夫婦なら絶対に知っておきたい57の基礎知識。

加谷珪一

Return Top