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【47】民泊で実際に利益を上げている人はいる?

また、多くのマンションの管理組合は、このような第3者への転貸を厳しく取り締っています。私の周りにも旅行者に貸出ししているのを近隣の人に通報されて、サービスを断念せざるを得なくなった人がいます。一棟ものであれば、このようなハードルは無くなりますが、合法的な施設にするためには、リノベーションなどの追加コストがかかります。

Airbnbのサービスを始めるには、ベッドやソファを揃えたり、シャンプー、歯ブラシといった備品の準備などの初期投資が必要です。短期で撤退することになれば、これらのコストも無駄になってしまいます。

外国人観光客の増加によって、国内の宿泊施設は不足しており、これからもニーズは高まっていくと思います。その中でブームになっているエアビーアンドビーをはじめとする民泊を始めるには、高いハードルとリスクがあることを認識しておきましょう。

一方、日本ではなく海外不動産を使って現地の業者に依頼して、民泊を運営するという手もあるようです。ただし、海外では国により規制が異なり、届出制や許可制にして、ホテルとの競争が不公平にならないように、ある程度の規制や税金などを課している場合もあります。日本人が海外不動産でAirBnBの運営をする場合には、運営する国の最新の規制について正しい情報を入手すると共に、現地で運営を委託する会社のクオリティのチェックを充分行う必要があります。

立地や間取りによっては、ニーズが無い物件の可能性もあります。初期費用をかけて、家具などをセットアップしても、一定以上の利用が無ければ、通常の賃貸以下のリターンしか得られないこともあり得ます。安易に始めるのではなく、入念なリサーチが必須です。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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内藤忍

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