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【62】マイナスキャッシュフローの保有物件の対処方法とは?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回の相談者は、ワンルームマンションを買ったものの、毎月のキャッシュフローはマイナスのよう。どうすれば良いのでしょうか。ーーー

マイナスキャッシュフローの保有物件の対処方法とは?

Q(質問者):新築のワンルームを買いました。ところが、家賃収入からローンの返済など必要経費を差し引くと、毎月のキャッシュフローはマイナスです。これからどうしたら良いでしょうか。

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A(内藤氏):既に購入してしまったことを後悔しても、事実は変わりません。やってしまったことをあれこれ悩むよりも、これからどうすべきかを考えましょう。

まず現状の把握をしてみることです。

物件に関しては、現在もし売却したら、どのくらいの価格で売却できるのか。また残債を相殺すると、損失になるのか利益になるのか。複数の業者に査定してもらいましょう。金額を出してもらうだけだと費用はかからないことが、ほとんどです。

金融機関からの借入に関しては、借入金利をチェックしてみましょう。金融機関によっては変動金利であっても、今より高い金利水準で借入している場合も。その場合は、低金利のローンに借り換えを検討する手があります。

そして、現在の返済を続けていく場合と、売却してローンを組み直して新たに中古ワンルームマンションを購入する場合の今後のキャッシュフローを比較してみます。一時的な損失を出したとしても、将来の収支の改善の方がメリットが大きければ、入替することも検討すべきです。

また、売却時の税金や諸費用についても考慮しましょう。トータルのコストで損得を合理的に計算するのがポイントです。

キャッシュフローが毎月赤字のまま返済を続けると、将来の金利上昇への抵抗力も弱いですし、給与が下がった時などに持ち出しで支払っている金額が負担になってきます。

こうしたことがあると、失敗を認めたくない気持ちも働き、誰にも言わず1人で解決しようとする人は少なからずいます。そうではなく、不動産販売会社や金融機関、さらには不動産投資に関する知識を持ったFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談して、セカンドオピニオン、サードオピニオンを取って、納得してから最終決断するようにしてください。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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内藤忍

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