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The Style Concierge

ニューヨーク不動産投資 vol.3

内藤 RSの適用対象世帯が多い物件は家賃が抑えられている分、儲けられないと思いますがそれは逆で、むしろ物件価格が抑えられている分安く買うことができ、さらにその後、人が入れ替われば家賃と物件価格を上げられる。前は家賃1000ドルだったのが1500ドルになれは、利回りは改善しますから。とはいえ、退去してもらうのは大変では?

池田 そこなのですが、じつは違法にまた貸をしてRS物件に住んでいるケースが多々あるのです。私たちはそれを調べ上げ、入居者と話し合いのうえ退去してもらうように交渉しています。場合によっては、引っ越し代も出しますが、結局は家賃アップのメリットのほうが大きいので、マイナスにはなりません。実際に自社物件やお客様の物件でそうすることにより、半年程でビルの価値が1億円以上上がったというケースもあります。

内藤 RSの人に出て行ってもらうことで家賃・物件価格をスライドアップさせるというのは、ニューヨーク独自の手法。RSについて知っていないとできません。

池田 入居者との交渉は泥臭い場面ですがね。不動産は実物資産で、内藤さんがよく仰る「ゆがみ」を利用しつつ、物件をバリューアップすることができる手段がニューヨークにはあるということです。

内藤 商業ビルで10億円単位の物件もあれば、1棟もの、コンドミニアムの一室、郊外の戸建て、タウンハウスといった物件タイプ、さらにはリノベーションやRSのゆがみを利用してバリューアップした物件を売却、賃貸など、とにかくニューヨークの不動産投資はバリエーションが幅広いのが特徴です。エリアに関しても、開発を先読みして先に押さえるというように、波を捉えて価値を上げる方法もたくさんあります。新興国だとインフラが整うのを待つ、経済成長にかけるというのが基本的な戦略ですが、先進国のアメリカだからこそ、知恵を働かせることで大きなリターンが狙えるのは、面白いところです。

―――とにかく幅広い、ニューヨーク不動産投資の戦略。レントスタビライゼーションという、独特の法律を逆手に取り物件価値を上げる戦略には驚きだ。非常に奥深いといえるだろう。


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。


池田将洋(いけだ・まさひろ)

タイチ不動産 投資・商業部門マネージャー 
大学時代サッカーで日本一になり、自身もプロを目指す。サッカー引退後は日本リクルート社に入社、不動産業界を担当。 リクルート退社後、ニューヨークに渡米タイチ不動産入社。 入社2年目でトップ営業になり、現在は自身でも不動産投資を始め、パートナーシップでニューヨークに不動産ビルを所有。

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