ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

ニューヨーク不動産投資 vol.3

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。4月はタイチ不動産の池田将洋氏をお招きして、ニューヨークの不動産投資をテーマに対談。第3回目は、具体的な投資戦略について話が及んだ。

内藤忍 ニューヨーク不動産投資

物件価値を上げるスキームでハイリターンが狙える

内藤 これまでのお話で、ニューヨークの不動産投資に可能性があることがわかりました。次にお聞きしたいのは、具体的な投資手法についてです。例えば、どういったエリアが有望で、どのようなタイプの物件があるのでしょうか。

池田 マンハッタン中心部は空室率が極端に低いことから、なかなか物件に巡り合うことはできません。価格も億以上で利回りは2~3%程度。投資というよりは、マンハッタンに物件を持つというステイタスを満たす意味合いが強くなるでしょうね。

内藤 国連本部前のトランプタワーなんて、まさにそうですよね。超高級コンドミニアムで、世界中のトップアスリートや著名人セレブが住んでいます。

池田 それよりは、比較的リーズナブルな物件を買うことでハイリターンが狙える新興成長エリアが現実的だと思います。例えば、マンハッタン島の東に位置する、ロングアイランドシティは、過去8年で6100世帯の賃貸世帯が建築されました。マンハッタン北部のハーレム、ブルックリンも成長エリアですし、ブロンクスは他のエリアに比べて割安感があります。

内藤 今後の成長の波にのれば、物件価格や家賃の上昇が期待できますね。それに、ニューヨークは、コンドミニアム、戸建て、ビルの1棟ものなど建物のバリエーションも広いそうですね。新築はもちろん、中古を買いリノベーションをして高く売る、あるいは賃貸でインカムゲインを狙うなど、バリューアップすることで利益が得るという手段が考えられます。

池田 それこそ、クイーンズやブルックリンの奥には、戸建て物件が豊富にあります。価格も20万ドル程度からで、利回りは4~5%。しかも空室率のアベレージもマンハッタンと大きく変わりません。ですから、買って賃貸に出しても客付けに困ることはないでしょう。ところが、ニューヨーク以外の州や市だと、利回りは同じ水準でも空室率は7~8%と高くなります。街のプレゼンテーションからすると、ニューヨークは圧倒的に有利です。市内で20万ドルくらいから投資でき、半分はローンにすれば10万ドルから物件を買うことができます。

内藤 ビル投資はいかがでしょうか。

池田 ビルには、すでにテナントがついている「完成物件」と、誰も入居してない、窓やエントランスを板でフタをしている廃墟のような「未完成物件」の2種類があります。見るべきポイントは、価格が年間家賃の何倍かということ。マンハッタンのダウンタウンエリアで22~26倍、ブルックリンやハーレムだと14~18倍が目安です。キャップレート(実質利回り)は、前者が2.5~3%、後者だと3~5%がアベレージ。あとは、もちろん部屋数が多い物件が好まれます。駅からの近さなど基本的なロケーション、周辺の開発状況、街や人の変化を予測のうえ購入することも大事です。

内藤忍

Return Top