ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

エアライン系プレミアムカードを極める:JAL編 2/3回

ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。4月はエアラインからANAカードをテーマに挙げているが、どういったプレミアム系カードが用意されているのだろうか。

2種類のプレミアム系カードを用意

今回はJALから発行されているプラチナカードの詳細をお伝えいたしますが、その前にJALカード自体の基本的な特徴に触れておきましょう。

●カード利用で直接JALマイルが付与される
●マイル付与率は200円=1マイルが基本
●JALカードショッピングマイル・プレミアムに加入すれば100円=1マイル
●入会、毎年初回搭乗、搭乗ごとにボーナスマイル付与
●旅行傷害保険
●その他、付帯サービス
●百貨店や私鉄と提携したカードもあり

JALカードの特徴は、カード利用で直接マイルが貯まること。ANAカードは、カードを利用するとカードポイントが貯まり⇒ANAマイルに移行という手順を踏みますが、JALカードはその手間がかかりません(※ポイントコースを選択すればマイルの代わりに提携カード会社のポイントに移行することが可能。

一部カードが対応)通常のマイル付与率はカード利用200円ごとに1マイルですが、年会費3240円(税込)の「JALカードショッピングマイル・プレミアム」に加入すれば、100円=1マイルと付与率は2倍にアップ。入っておいたほうがお得なのですが、CLUB-Aゴールドカード、JALダイナースカード、プラチナ会員は自動入会(年会費無料)となります。

菊地氏 2

現在、JALカードからは2種類のプラチナカードが発行されています。最高位を謳うだけあり特典内容は充実のひと言で、付加価値の点では申し分ありません。両カード共通のスペックは次のようになります。

●入会搭乗ボーナス:5000マイル
●毎年初回搭乗ボーナス:2000マイル
●搭乗ごとのボーナス:フライトマイル+25%のマイル
 ※フライトマイル=区間マイル×利用運賃のマイル積算
●ショッピングマイル・プレミアムに自動入会(年会費無料)
●アドオンマイル:JALグループ国内線・国際航空券など対象商品の購入で、ショッピングマイルに加えて付与(100円=2マイル)
●海外旅行/国内旅行傷害保険
●国内主要空港およびホノルル国際空港で提携カード各社のラウンジ利用
●手荷物空港宅配サービス
●JALビジネスクラス、チェックインカウンターの利用
●その他、割引サービスなど

こういった基本的なサービスに加えて、各ブランドの特典がつくという仕組みです。では、それぞれを見ていきましょう。

JAL アメリカン・エキスプレス®・カード プラチナ

年会費:3万3480円(家族会員:1万6740円)ともに税込
マイル付与:100円=1マイル(移行手数料無料)
海外旅行傷害保険:最高1億円 国内旅行傷害保険:最高1億円

JAL アメリカン・エキスプレス®・カード プラチナ(菊地氏私物)
JAL アメリカン・エキスプレス®・カード プラチナ(菊地氏私物)
これは、JALカードと三菱UFJニコスの提携によるカードです。機能的には、MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カードに近いと思われます。

最大のメリットは、コストパフォーマンスに優れているということ。ANAカードプレミアムの年会費は7万円~15万円の幅ですが、JALプラチナカードは、3万円台。それにも関わらずマイル付与率や旅行傷害保険の内容は、ほぼ横並びですから、高評価に値します。


それでは、このカード。どのような特典が付帯しているかというと、次のようになります。

●アメリカン・エキスプレス・セレクト:世界100以上の国や地域の8000以上のホテル・レストランで10%~70%の優待
●海外アシスタンスサービス「ハローデスク」:世界各地に海外サービス窓口を用意。現地情報の提供、レストラン予約などに日本語で対応
●プライオリティ・パス:120以上の国や地域、400以上の都市で700以上のラウンジが無料で無料
●プラチナ・コンシェルジュサービス:国内・海外でのレストラン予約、海外のミュージカルのチケット手配、トラブルや病気などのサポートなどを、専任スタッフが24時間365日対応
●スーペリア・エキスペリエンス:国内・海外一流ホテル、ダイニングやスパなどで特別な優待
●ハーツレンタカー:アメリカを中心に特別サービスを年会費無料で提供

ブラック・プレミアム系カードではお馴染みのコンシェルジュサービス、プライオリティ・パスは当然ながら付帯。マイル付与に関しては、JALグループで対象商品を購入すると「アドオンマイル」が別途つくので100円=4マイルと、これも最高水準です。JALマイルをスピーディに貯めたい人にとっては最高のカードかもしれません。

ただし旅行傷害保険は、海外最高1億円のうち、自動付帯分最高5000万円+利用付帯分5000万円、国内は最高5000万円になります。

JAL JCBカード プラチナ

年会費:3万3480円(家族会員:1万6740円)ともに税込
マイル付与:100円=1マイル(移行手数料無料)
海外旅行傷害保険:最高1億円 国内旅行傷害保険:最高1億円

こちらは、JCBとの提携カード。同社のプラチナサービスを受けられるという1枚で、こちらもコストパフォーマンスの点でいうことはありません。

独自サービスもチェックしてみましょう。

●JCBプラザ:世界60カ所に設置された会員専用の海外サービス窓口を用意。JCB加盟店の予約や観光に関する問い合わせに日本語で対応
●プライオリティ・パス:120以上の国や地域、400以上の都市で700以上のラウンジが無料で無料
●プラチナ・コンシェルジュデスク:国内・海外のホテルやチケットの手配など旅行に関する各種サポート、ゴルフ場やレストランの案内、その他様々な相談に24時間365日対応
●グルメ・ベネフィット:日本国内の厳選した有名レストランの所定メニューを2名以上で予約すると、1名分の料金が無料
●JCBプレミアムステイプラン:日本全国で上質で人気の高いホテルとレストランでの優待

JAL JCB プラチナ(菊地氏私物)
JAL JCB プラチナ(菊地氏私物)
基本的にアメックスと変わらないサービス内容です。とはいえ、どちらかというとアメックスは海外、JCBは国内向けといったところ。どちらでの利用を重視するかで、選ぶべき1枚は変わってくるでしょう。

いずれにしろ、年会費がリーズナブルにも関わらず、プラチナカードのサービスは兼ね備えているJALカードのプラチナクラス。JALマイルにポイントを集中させたいならメイン、あるいはサブとして持ってもいいでしょう。


なお、ANAカードにはあった、ダイナースブランドはどうかというと、CLUB-Aゴールドカードで用意。年会費は税込3万240円(家族会員9720円)。こちらは、JALカードのサービスに加えて、傷害死亡・後遺障害保険金最高1億円の「クラブ・インシュアランス」、海外トラベルアシスタンス、空港ラウンジ、ショッピングリカバリー、24時間カスタマーサービスなどを提供しています。なお、経費決済専用の「JALダイナース ビジネス・アカウントカード」も発行できるので、会社オーナーや医師、弁護士の方にはいいかもしれません。

 
JALカードのプレミアムクラスは、コストパフォーマンスの点でとにかく優秀だ。メインでは物足りなくても、サブで持つ分には十分以上のスペックも擁している。

それでは次回は、JALが提供する最高峰のサービス「JMB FLY ONプログラム」さらには「JAL グローバルサービス」について解説しよう。


[catlist tags=”JAL編” orderby=date order=asc]


菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

連載コラム

菊地崇仁

Return Top