ENRICH(エンリッチ)

JAL_lounge_TOP

塩づくりの聖地、アヴェイロ

UR99_1

街を歩いているだけで塩の山が

ポルトガル第2の都市であるポルトから、車や電車で1時間ほどのアヴェイロという街を訪れたのでレポートします。アヴェイロは、大部分が海岸沿いの砂州からなる地形で、運河が街の中心部に張り巡らされていることから、ポルトガルのヴェネツィアと呼ばれています。

運河にはモリセイロと呼ばれるカラフルなゴンドラが行きかっていて、水路をめぐりながらアーチ形の橋やカラフルな街並みが楽しめます。

UR99_2

アヴェイロはその地形を活かして、今から1,000年以上前の10世紀の後半から天日干しによる塩づくりが行われていて、今でも機械に頼らない伝統的な手法での生産が続けられています。その証拠に、街を歩いているとそこかしこに大きいものでは高さが2メートルに達するような白いピラミッド状の塩の山が見られます。

UR99_3

この伝統的な塩の手作り職人はサリネイロと呼ばれて尊敬されています。彼らの手法の真骨頂はアヴェイロの海岸沿いの大部分を占める天然の汽水湖を利用した塩田に引き込んだ海水を、風や天候を読みながら水の流れをコントロールすることで、徐々に塩分濃度を高めることで上質な塩が作れます。折角、塩分濃度を高めても雨が降ってしまうと希釈されて台無しになってしまうので、サリネイロには天候の変化を読みながら適切に海水の流れをコントロールすることが求められます。

ある程度、塩分濃度が高まってくると、日本でグラウンド整備に用いられるトンボのような形をしたロドと呼ばれる器具を使って池の底に沈殿した塩をかき集めます。

UR99_4

アヴェイロには常に海からの西風が吹いていて、しかも気候が乾燥しているので水分がどんどん飛んで、最終的には塩田の表面に薄い氷のような結晶の膜である塩の花が形成されます。

これを、今度はシカと呼ばれる網のような道具で、水底の泥を巻き込まないように表面だけをさっと掬うことで集められていきます。そして、この塩の花をさらに乾燥・選別して作られた天然の塩が、前述した山として塩田の脇に積み上げられていきます。

岡村聡_300
岡村聡

Return Top