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手ぶらが多く、ノマドワーカーが少ない理由

エンリッチkaya1901

先日、お金持ちには手ぶらが多いという記事がネットで配信されていた。どちらかというと、外国のお金持ちの生態を面白おかしく描くタイプの記事だったせいもあるが、コメント欄には「何が言いたいのか分からない」という批判が殺到していた。

しかしながら、お金持ちに手ぶらが多いのは紛れもない事実である。その理由は、お金持ちの人は、便利な場所に拠点を構えていて、外出する時には、ひとつの目的に絞り、別の要件がある時には、一旦、拠点に戻るケースが多いからである。

かつてホリエモンこと堀江貴文氏が、財布を持たず、お金をクリップに挟んで持ち歩いていることが話題になったことがある。これには多少、パフォーマンス的な側面もあるが、生活パターンをできるだけシンプルにしているのは事実だろう。逆にいうと、経済的な成功者で、大きな荷物を抱え、ノマドのように活動している人は少数派といってよい。

一連の行動は経済的に余裕があるからできることではあるのだが、重要なのは、成功者の多くが成功する前から、そうした行動パターンに近づくよう、工夫していたという点である。

最先端の企業ほど場所にこだわっている

経済的に成功することと拠点を確保することには密接な関係がある。世の中にはたくさんの仕事があるが、仕事の数だけ最適な仕事のパターンも存在すると思った方がよい。さらにいえば、複数の仕事を比較した場合、仕事の性質上、どうしても効率が悪くなってしまうものもあれば、そうでないものもある。

効率が悪い仕事というのは、たいていの場合、付加価値が低いので、そこから得られる収入も低く、しかも、将来的に継続できなくなる可能性が高い。

ビジネスで成功するためには、効率が悪く、付加価値が低いものを避け、付加価値が高い仕事を選び、そこから、さらに効率が上がるよう努力しなければならない。

例外もあるが、付加価値が高い仕事というのは、移動が少ないものが多い。金融やITはその典型だが、世界中、どこを見ても金融機関のオフィスは、その国の中心都市のある一角に集中している。

シリコンバレーには多数の先端的なIT企業が集約しているが、こうした新興企業に投資をするベンチャーキャピタルの中には、30分以内でたどり着けないところにオフィスを構えている新興企業には投資しないというところさえある。ITを使えば遠隔でコミュニケーションができるにもかかわらず、最先端のIT企業が場所にこだわっているというのは、非常に興味深い事実である。

加谷珪一

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