お金持ちの多くはクレジットカードにこだわり持っている。だが、その意味合いは、必ずしもブラックカードに代表されるプレミアカードの取得や利用とは限らない。筆者の知っている範囲でも、かなりの資産家がネット通販企業が発行する会費無料のカードを使っていたりするので、人によってスタイルは様々である。ただカードの使い方に関して、それぞれ哲学があるのは間違いない。

限度額の大きさは重要な選択項目

アメックスが発行したブラックカードをきっかけに、世の中ではプレミアカード・ブームとも呼ばれる現象が起こり、多くのカード事業者が各種のプレミアカードを提供してきた。

プレミアカードには持っていることでそれなりのステイタスを得られるというメリットがあるので、これを目的にカード会員になる人は一定数いるだろう。だが、こうしたステイタスを特に望まないという人は、何を目的にカードを選んでいるのだろうか。

お金持ちがカードに求めるものは、決済の利便性と付帯サービスである。

所得が多い人は、当然、その分だけ支出も多くなるのでカードでの決算金額も大きくなる。海外に行き、現地で会食やショッピングなどをたくさんすれば結構な金額になるので、限度額が低いカードでは当然のことながら決済に支障が出てくる。ある程度の資産を持つ人にとって、限度額でカードが使えなくなることほど、頭に血がのぼる出来事はない。したがって、決済限度額の高さというのは一つの有力な選択項目となる。

限度額の設定についてはアメックスの手法が有名である。アメックスは高所得者向けというイメージが強く、ブラックカードのようなプレミアカードでなくても、明示的には限度額が提示されていない。だが、アメックスの会員になったからといって、いくらでもカードが使えるというわけではない。