ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

三島喜美代の世界を凝縮 
レセプションレポート

以前、ENRICHでもインタビューを行った(インタビューを読む)現代美術家、三島喜美代氏の個展がイタリアのファッションブランドCoSTUME NATIONALが手がけるギャラリーCoSTUME NATIONAL ・LAB・にて2月22日~2月26の5日間にわたって開催された。企画はミツイ・ファイン・アーツ。展覧会初日、22日の18時から始まったレセプションの様子をレポートする。

会場は、表参道の駅から5分ほど歩いた場所にあるCoSTUME NATIONAL ・LAB・。三島喜美代氏の東京での展示は2015年のアートファクトリー城南島以来のこととなる。

現代社会のゴミをリアルな陶器で再現した代表的な作品をはじめ、今となっては貴重なペインティングにコラージュを施した作品も並んだ。そんな滅多にお目にかかれない三島作品を見ようと、コレクターをはじめ数多くの来場者が訪れた。

新聞や映画のポスターなどを用いたコラージュは1966年の作品。
三島作品ではおなじみのモチーフとなるコーラ。外箱も袋もすべて陶器でできている。
ゴミ箱に詰め込まれたビールの段ボール。もちろん、こちらもすべて陶器製。

「三島先生が創作活動を始めた50年代~60年代は、まだまだ女性の社会進出が進んでおらず、多くの作品は破棄してしまったそうです。今回はそんな希少な60年代のペインティングから、空き缶や新聞を象った陶器の作品を同時に見られる貴重な機会になりました」。と語るのは、今回の展覧会を企画したミツイ・ファイン・アーツの三井一弘ディレクター。

三井氏は以前からこのギャラリーが気になっており、今回の企画を持ち込んで実現したという。ちなみに、会場の隣にあるバー「WALL」内にはフランスの植栽アーティスト、パトリック・ブランによる壁面装飾「バーティカル・ガーデン」のほか、杉本博司の作品も目にすることができる。アート好きなら足を運んで損のない空間だ。

会場には三島氏の姿もあり、多くの来場者と言葉を交わしていた。

「私は今でも遊んでいる感じでバカげたことをやっています(笑)。“芸術です”という押しつけがましい感じではないので、いろんな人に見てほしいですね」。80歳を超えた現在も、旺盛に活動を続ける三島喜美代氏。アトリエのある岐阜と大阪を週1、2回のペースで往復する生活を続けている。

エンリッチ編集部

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