ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は、新たに始まった証券会社によるクレカ積立について取り上げよう(1/3から読む)。−−−

業界最高水準のポイント還元を提供する方針
金融業界における、ポイント付与を軸とした顧客獲得競争が激化しそうです。なかでも目立った動きを見せているのが、三菱UFJ銀行。同行はデジタルを基軸にした資産形成サービスの実現に向け新会社を立ち上げる方針で、2027年度中にはグループ傘下の「三菱UFJ eスマート証券」とロボアドバイザーで知られる「ウェルスナビ」を経営統合し、今年度に開始予定のデジタルバンクを連携する新たなサービスを始める方針です。
具体的には、2025年6月に始まった金融サービスブランド「エムット」を軸に据える見通しで、預金金利やポイント還元、優遇手数料といったお得な資産形成環境などを提供するようです。また、これに先立ち三菱UFJ eスマート証券は2026年5月中旬を目途に国内株式取引手数料を無料化、6月には「三菱UFJカード」を使ったクレカ積立で業界最高水準のポイント還元を始めるとしています。
ちなみに、同カードを使ったクレカ積立の還元率は、現状だと一般カード0.5%相当、ゴールドカード以上だと1.0%相当です。他の証券会社×クレジットカードであれば、カード券種やカードの利用実績などに応じてより多くのポイントを付与しているので、これに対抗する思惑があるのでしょう。証券会社にとっては顧客獲得や満足度の向上、利用者にしてもポイント獲得につながるので、近年のトレンドに倣った施策と言えます。
一方、三井住友銀行と三井住友カードはこの4月より、「三井住友カード つみたて投資」において、Olive限定の還元率上乗せプランを始めました。5月買付分より、クレカ積立とOliveを併用している場合、クレカ積立のポイント還元率が最大で+0.5%アップします。上乗せ率はOlive契約口座の円普通預金残高に応じて変わり、「100万円以上200万円未満で+0.1%」から始まり、以降は100万円刻みで0.1%ずつ上がり、マックスは500万円以上の+0.5%です。Oliveフレキシブルペイ以外の三井住友カードで利用している場合でも、特典は適用されます。
現状、「三井住友カードVisa Infinite」は最大4.0%、「プラチナプリファード」系は最大3.0%、プラチナ系は最大2.0%、ゴールド系が最大1.0%、その他のVポイント対象カードが最大0.5%なので、この上乗せを利用すると大幅な還元率アップが実現します。三井住友銀行はOliveの普及拡大に努めており、グループ力を活かした施策と言えるでしょう。
新サービスとしては、マネックス証券が2026年3月26日より、「JCBのクレカ積立」と「ポイントでの投信積立」のサービスを同時に始めました。クレカ積立は「マネックスカード」「dカード」に続く3つ目のサービスで、ポイント還元率は最大1%です。同社はマルチカード戦略を推進しており、JCBのクレカ積立も松井証券、SBI証券に続く3社目。両者の方針が合致した格好です。
ポイントによる投信積み立てはdポイントとマネックスポイントに対応し、毎月の積立買付にポイントを自動で充当できるようになりました。これまでも都度買い付ける「スポット買付」に対応していましたが、サービスがより柔軟になりました。dポイントは期間・用途限定ポイントも対象になるのも特徴です。
NISAなどを通じて日本で投資人口が増えるなか、クレカ積立や手軽に始められるポイント投資は利便性の高い手段として定着しました。各金融グループがしのぎを削ることで、今後も新たなサービスが登場するかもしれません。
キャッシュレス決済比率は過去最高の58%へ
さまざまな場面でキャッシュレス決済が利用できる環境が整ったことで、2025年のキャッスレス決済比率は58%に達することに。経済産業省の発表によるもので、前年の52.8%から大きく上昇しました。クレジットカードが82.7%、デビットカード3.4%、電子マネー3.7%、コード決済10.2%という内訳で、加盟店が多く高額決済にも利用できるクレジットカードがもっとも高い割合を占めたのは、納得できる結果です。家計管理がしやすく、高還元率が増えているデビットカードの決済割合も増えました。政府は2030年までにキャッシュレス決済比率65%を目指していますが、この様子だと実現に向かいそうです。









