ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

三島喜美代 
今、世界が熱視線を送る作家

捨てられた空き缶のヘコみも
忠実に再現

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E:アートファクトリー城南島のウインドウには、本物のゴミにしか見えない空き缶の作品も展示されていて驚きました。

三島:向いの休憩所で職人さん達が飲み終わった缶をゴミかごに捨てるのを見て面白いなと、そこに現代を感じました。

このマカのデザインとか力強くて、元気になりそうでしょ(笑)。最近の缶のデザインはすぐに変わってしまうからね。変わらないのはコーラとヱビスビールくらい。

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本物と見まごう再現度。
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いずれの缶も実際より一回り大きめに作られている。

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E:大量生産されるゴミを手間暇かけて作るというのも興味深いです。

三島:すぐに捨てられるしょうもないものなのにね(笑)。捨ててあるゴミをお金と手間をかけて作る、そんなしょうもないことが好きなんですよ。

私の作品を焼いてきた窯の耐火レンガをリサイクルした作品がここ(アートファクトリー城南島)に展示されているの。

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レンガの表には西暦1900年~2000年の過去100年の間に出た新聞を転写して。全部、図書館のマイクロ資料からコピーして版作ってね。お金もないのにそんなことして、娘に怒られました(笑)。

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表面には20世紀の国内の新聞。
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裏面に海外の新聞が転写されている。20世紀の記録だ。

E:自分の作品を売る気はなかったんですか?

三島:売るための作品は作らない主義だったので作品発表ばかりの個展を画廊でやったり、自分でしたいことをしてただけ。私は昔から好奇心旺盛だったから好きなことを夢中になってやる子どもだったの。その頃は医者になりたかったんだけど、とんでもない発言をしたから近所の医者に怒られて怒られて。

エンリッチ編集部

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