ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

三島喜美代 
今、世界が熱視線を送る作家

好きなことを続けてきただけ
それが今の結果に

E:若い頃はどんな作家に影響を受けましたか?

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三島:ジャスパー・ジョーンズ(※1)やアンディ・ウォーホル、リキテンシュタインが好き。ウォーホルには何回か会ったことあるけど、英語が不得意だからあまり会話できなかった。有名な牛のポスターにサインしてもらって、それを孫にあげて、部屋の壁のシミを隠すために貼ってたの(笑)。リキテンシュタインには私の作品をあげて、お礼の手紙ももらったこともある。段ボールの作品だったんだけど、手紙には「段ボールを開いたら段ボール出てきて驚いた」って書いてあった(笑)。

嬉しかったのは74年に銀座の南画廊でルイーズ・ネヴェルソン(※2)が個展を開いたとき、そこに置いてあった私の作品を見て彼女が「この作家に会いたい」と言いってくれて。そこから、ニューヨークのペイス・ギャラリーのオーナー、マーク・グリムシャー(※3)とネヴェルソンが私のアトリエに遊びに来たの。その後86年から87年にかけてロックフェラーの資金でニューヨークに滞在していたころ、ネヴェルソンがアトリエで私のために盛大な歓迎パーティーを開いてくれたのよ。あのときは嬉しかったわ。

(※1) 20世紀のアメリカの画家。星条旗やダーツの的を描いた作品が有名。絵画以外にも、ブロンズでビールの空き缶を再現した彫刻作品を手がけている。
(※2) ウクライナ出身のアメリカ人彫刻家。日用品の廃物を黒く塗り、箱の中に詰めた作品が有名。環境芸術家として脚光を浴びた。
(※3) ニューヨークを拠点に世界に支店を構えるギャラリー。2012年フォーブスが発表した「最も影響力のあるアートディーラー」でトップ3に選ばれた。

エンリッチ編集部

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