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香港 2/3 
香港の高級不動産市況

香港 ディスカバリーベイ

大気汚染が深刻な香港ですが、ディスカバリーベイまで行くと大分緩和されると知人が話していました。私はまだディスカバリーベイを訪れたことはないのですが、4月に香港に出張したときにこのエリアの高級物件を視察しようと考えていますので、またこのコラムで詳細を紹介します。ディスカバリーベイでは150㎡の3ベッドルームの住居が3~4億円で販売されています。東京の価格帯と比較すると高く感じられますが、ヴィクトリアピークの単価と比較するとかなり割安です。私のお客様など周囲の日本人富裕層が香港に移住したときに住む場所としては、このヴィクトリアピークとディスカバリーベイの2つが人気のエリアとなっています。

このように高騰してきている香港の不動産市場ですが、今後の見通しはどうなのでしょうか。私は香港が90年代後半から00年代初頭にかけて、また日本が1990年以降長くに渡って経験したような長期に渡る価格下落とはならないと見ています。それは、中国本土の分厚い富裕層の移住先として香港が圧倒的に人気である状況はしばらく変わらないと見ているからです。

もちろん、シンガポールも中国の富裕層としては人気ですが、中国本土とシンガポールでは富裕層コミュニティのつながりが薄く、上質な金融サービスを受けたり事業を展開したりするうえで、時間をかけて人脈を再構築しなければなりません。その点、香港であれば中国本土と非常に強固な人的ネットワークがあるため、中国本土から香港に移住してもシームレスに活動できます。また、中国の株式市場が昨年夏から急落していますが、これは短期的には香港への逃避資金需要を高めることになるため、あまりマイナスには働きません。

ただ、中長期的には香港の不動産市場がさらに成長していくには多くの課題があります。先日、人民元がIMFのSDR(特別引き出し権)に組み入れられましたが、人民元の国際化が進められている中で、現在中国本土の窓口の役割を果たしている香港の地位は低下していきます。また、上海や深圳など中国本土の株式市場への外国人投資家のアクセスも拡大されていくでしょうから、香港はこれらの市場とも競合していきます。また、中国政府の香港への関与拡大を嫌って、香港からシンガポールなど他の都市に移住や資産を移す富裕層も日本人含めて目立ち始めています。

香港の主要都市としての地位を示す、高級物件を中心とした不動産価格に今後も注目していきたいと思います。次回は、香港のライフスタイルについて紹介します。

岡村聡_300

岡村 聡 (おかむら さとし)

シンガポールで資産運用のアドバイスを行う株式会社S&S investments代表取締役。 マッキンゼー&カンパニー、アドバンテッジ・パートナーズなどを経て、2010年11月に妻と2人で同社を設立。現在、資産運用に加えて、海外移住や海外不動産投資などのコンサルティングも行っている。著書に「世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣」(KADOKAWA/中経出版)など。

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