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自身の度量を広くするには?

エンリッチ メンタルレッスン 度量

メンタルトレーナーの高畑好秀氏が、悩めるエンリッチにアドバイスする本コラム。意外な視点からの言葉に、思わずハッとさせられるかもしれません。今回のテーマは「度量」です。どうすれば、広くおおらかなメンタルを得られるのでしょうか。

良くないことをしたと思ったら、
一日一善を実践する

誰しも、自分の意見に反対されるとムッとしてしまう場面はあると思います。本来、議論を交わすと、意図と異なる声が出てくるのは当然の話ですし、それによりブラッシュアップされていくと頭では理解していても、思わぬ指摘に感情的になってしまうわけです。

とりわけ、経営者であったり起業家であれば、己の才覚に自信があり、みずからの采配で成功を収めてきたわけですから、少しでも意にそぐわない声が出てくると、「私の力を疑っているのか?」と捉えるのかもしれません。後になって「心が狭い…」と自己嫌悪に陥るケースもあるようです。

こういったシーンに限らず、モラルやマナー、ルールに反した言動であったり、度量の狭い反応をすることは、決して珍しくないことです。いくらビジネスセンスに長けていたとしても、中身は感情を持つ人間です。聖人君子のようにはいきません。「良くないことをしてしまった」と自責の念を感じながらも、ついつい…というわけです。そして、こういったことが溜まっていくとストレスが積み重なり、自己否定へとつながっていきます。

そこで私がよく使うのが「心の貯金箱」という言葉です。この貯金箱にプラスの感情を貯金していくのか、それともマイナスを貯金していくのかという考え方ですが、人は無意識のように感じる言動に対しても、自分なりに善悪の評価を与えていて、ネガティブな評価をするとマイナス貯金が増え、反対に「良いことをした。正しい行動だった」とポジティブな評価だとプラスの貯金が投げ込まれます。

結果、自分で悪いと思う行為が増えると自身をネガティブに捉えるようになり、元気がなくなったり、緊張状態に陥ることも。他方、自分で良いと思う行為が増えると自身を前向きに捉えられますから、リラックス状態になれるわけです。

ようは、善行・悪行には心理作用があり、かつ善行は計算して行うことでもありませんが、このような心理作用を知っておくことで、自分の行動を変えることはできます。1日の最後に、その日のプラス・マイナスの貯金を計算してみて、プラス貯金が多い日は、自分がリラックスできていることに気づくはずです。悪行は心の逆風、善行は追い風になります。

高畑好秀

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