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堀紘一の『ヒト・モノ・カネ』論 (1)
お金は不幸を軽くしても、幸福を約束しない。

個人資産は10億円もあれば十分。その理由は?

ただし、私がつねに口にしているのは、個人の資産なんて10億円以上あっても意味がないということです。誤解を恐れずにいうと、お金なんてある水準を過ぎると、あまりたいしたことない、私はそう考えています。

堀さん

例えば、個人が毎年コンスタントに5000万円ものお金を使いきれるでしょうか? 私なんて仕事や接待に忙しく、なかなか使う時間がないのが実情です。それに、物欲なんていずれ満たされるでしょうし、日本で食事をする場合はどれだけ高級なレストランでも1人10万円程度。若手の社員を連れて行くこともありますが、やはり使うお金はたかが知れています。

実は日本は富裕層にとってお金が使いづらく、ちょっと窮屈なのではないかというのが、私なりの所感です。

ビジネスにおける成功、もしくは親の資産を受け継ぐなど、日本にもたくさんの成功者や資産家はいます。ところが、そういった層だからこそお金の使い道がなく、持て余している人は多いはずです。
まず、日本は土地が狭く地価が高すぎます。仮に10億円で家を建てても、そのうち7~8億円は土地に取られ、絢爛豪華なお屋敷は建てられません。

ある起業家は田園調布に大豪邸を構えましたが、それでも300坪くらい。

これはアメリカだと中流クラスで、テニスコートやプール、ましてやプライベートの飛行場を併設させることはできないのです。

家が小さいということは、家具も制限され、こだわりたくてもこだわれません。立派な絵画を飾ることにも目が向かなくなります。とどのつまり、これがお金の使い道がないということなのです。

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堀紘一(ほり・こういち)
1945年兵庫県生まれ。1966年にメリーランド州立大学に留学。69年に東京大学法学部卒業後、読売新聞社に入社して経済部記者として活躍する。73年三菱商事に入社。ハーバード大学に留学して80年経営学修士(MBA with High Distinction)を取得する。81年からボストンコンサルティンググループ(BCG)に19年にわたり勤務し、89年には代表取締役社長に就任。00年にBCGを退社し、ベンチャー企業の支援及び大企業の戦略策定・実行支援を行う、ドリームインキュベ―タ(DI)を創業。代表取締役社長に就任し、02年5月にマザーズ上場、05年9月には東証1部に上場。現在は同社代表取締役会長。経営コンサルティング業界の草分けであり、財界に広く人脈を持つことでも知られ、ビジネスマン向けの著書も多数。
株式会社ドリームインキュベータ(http://www.dreamincubator.co.jp/


エンリッチ編集部

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