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堀紘一の『ヒト・モノ・カネ』論 (2)
お金は不幸を軽くしても、幸福を約束しない。

エンリッチ 堀紘一

堀紘一氏といえば、19年にわたりボストンコンサルティンググループに勤務し、日本法人の社長も務めた稀代の経営コンサルタント。2000年からはベンチャー育成を目的にドリームインキュベータを創業し、わずか5年で東証1部上場企業に育て上げた起業家としても、あまりにも有名だ。
前回は、意外にお金の使い道がない日本の富裕層の実情について語ってもらったが、今回は「お金の使い方」に言及する。

お金の使い方次第で、人は成長・堕落する

では、日本の富裕層はお金を何に使っているかというと、結局は美食に走る方が多い印象を受けます。近年のニューリッチなら、西麻布のクラブなどでパーティ三昧ということもあるようです。
もちろんそれも悪くありませんが、私はどうせなら、日本の伝統や文化に触れた遊びや食事をお勧めしたいと思います。意外なルーツを知ることは知的好奇心が刺激されますし、人としての見識を広げてくれます。それに、近年は本を読まない人が多いようですが、加えて文化に触れず教養にも乏しいというのは、何か寂しいような気もします。こういった所に投資やビジネスのチャンスが潜んでいるかもしれません。それに、富裕層というのは何もお金を持っていることを指すのではなく、高い人格や教養も伴うと思うのです。

堀紘一の『ヒト・モノ・カネ』論 (2) お金は不幸を軽くしてくれても、幸福を約束しない。

ならば、余裕がある成功者として、そういったことにお金を使ってみればいかがでしょうか。自分の世界を広げる、心底楽しめる趣味に没頭するのも悪くありません。私なんて、友人夫婦と毎年都おどりの時の京都に旅行に出かけますが、これも伝統文化などに触れる、素晴らしい機会と捉えています。

エンリッチ編集部

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