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ワイキキ再考

ワイキキの歴史を感じられる場所

ハワイ王族の避暑地であった名残は今も各所に残っている。ピンクパレスの愛称で有名なロイヤルハワイアンホテルの敷地内には、16世紀に当時10,000本ものヤシの木が植えられた「ロイヤル・グローブ」と呼ばれる王族の避暑地の庭が残されている。また、モアナサーフライダーホテルの中には、20世紀のワイキキの歴史がわかる「ヒストリカル・ルーム」と呼ばれるエリアがあり、当時の写真やビデオ、当時使われていた食器など、歴史を感じることができる展示品が多数展示されている。

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ロイヤルハワイアンホテルの中庭には10,000本ものヤシの木が
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モアナサーフライダーホテル内、ヒストリカル・ルームにて

特に私が個人的に好きなのは、プリンセスカイウラニホテルだ。その名の通り、このホテルはハワイ王族最後の王女、カイウラニ王女の別荘があった土地に建てられている。一昨年に映画にもなったカイウラニ王女の生涯、アメリカに合併されハワイ王朝がなくなるという激動の歴史の中で、ハワイ王族存続のために奮闘しながらも、病気のために23歳の若さで亡くなってしまった悲劇の王女。ホテル内にはそんなカイウラニ王女の肖像画や当時の写真が多数展示されているのである。

ワイキキのパワースポット

一方、そんな特別な地であるワイキキには、パワースポットと呼ばれる場所も複数あるので、ここではふたつ紹介しておきたい。

まずひとつめが、クヒオビーチ前交番の隣にある「魔法使いの石」と呼ばれるみっつの石である。言い伝えによると、16世紀にタヒチから渡って来た魔法使いがこの石にパワーを閉じ込めたといわれているらしく、そういった力に敏感な人だと石の周りに渦巻いている波動に引きずられるように感じるということだ(残念ながらそういう力はまったくない私にはそれを感じることができないのだが)。

そしてもうひとつがカピオラニ公園である。カピオラニ公園はハワイ王朝時代につくられた最も古い公園で、公園内にはその名の由来となったカピオラニ女王の銅像も建てられている。公園内を歩いたりジョギングしたり、無数に植えられている木陰で休んだりしながら景色を眺めているだけで、この公園の気のよさを感じていただけるはずだ。さらにここからワイキキエリアで最大のパワースポットと言われているダイヤモンド・ヘッドを眺めていると、本当に身体も心も浄化されたような気分になるのである。

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ワイキキが本質的に持っているエネルギーや、遺された歴史の遺構など、いつもとは違う視点でワイキキというエリアを眺めてみると、今まで気づかなかったワイキキの魅力を知ることができるだろう。ちなみにワイキキではこんな歴史探訪ツアーも行われている。私もかつて参加したが大変興味深いツアーだった。

今でこそハワイはアメリカ合衆国の一州として定着しているが、ハワイ王朝からアメリカ合衆国になる過程を含めて、この島には我々が考える以上に複雑な歴史がある。そんな視点での滞在を意識していただくことで、よりハワイに対する理解と愛情を深めていただければ幸いである。

*参考文献
『ハワイの歴史と文化~悲劇と誇りのモザイクの中で』
『スピリチャルに楽しむオアフ島:史跡・伝統とパワースポット』
『ハワイを知るための60章』


田島弓子(たじまゆみこ)
2007年にマイクロソフト株式会社を退職しキャリアアドバイザーとして独立後、東京とハワイのデュアルライフを始める。東京滞在中はブラマンテ株式会社 代表取締役 田島弓子としてキャリアや社員育成に関する講演や研修、ビジネス書や専門誌等への執筆など仕事中心の生活を送り、ハワイ滞在中は趣味のトライアスロンのトレーニングを中心とした生活を送ること現在7年目。世界各国で行われるトライアスロンのレース遠征を兼ねた旅行先での世界遺産巡りとグルメが目下最大の楽しみ。

田島弓子

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