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アウディ e-tron GT

しかも、インテリアを覗き込むと最新のインターフェイスが取り付けられているのは当然のこと、ドアトリムやシートにラグジュアリーさも表現している。プレミアムブランドのアウディとしてその辺に抜かりはないようだ。

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事実、そこをアウディジャパン現社長のフィリップ・ノアック氏に尋ねると、こんな答えが返ってきた。「アウディはサスティナブルとラグジュアリーを両立させています」と。確かに、日本のメーカーが得意とするEVの多くはサスティナブルを具現化しているが、ラグジュアリーの観点で作られてはいない。航続距離が話題となるばかりだ。だが、内燃機関の高級車からEVへの乗り換えを鑑みると、それだけでは購買に至らないのは確か。その意味で、今後このクラスのEVが目立ってくるのは時間の問題かもしれない。ヨーロッパのメーカーはその辺をいち早くキャッチする算段だ。

では、実際に走らせるとどうなのか?だが、残念なことにまだそのステアリングを握っていないので正確なことは言えない。が、前述のノアック氏によると、ドライブフィールは内燃機関のクルマから乗り換えても違和感のないように仕上げているらしい。

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アウディの提供するEVの特徴は?という問いかけに、それを掲げていると話してくれた。確かに、e-tronスポーツバックではそうだった。トルクが急激に発生するEVとは違い、ナチュラルなドライブフィールが運転を楽しくしてくれた。

そんなことを思い出しながらe-tron GTの資料を読んでいると、とにかく早くテストドライブしたくなる。見た目がこれだけスタイリッシュでかっこいいのだから、期待は大きい。そう言えばノアック氏はこんなことも言っていた。「このクルマはアウディTTやR8がデビューした時と同じくらいセンセーショナルであり、次世代のシンボルになります」と。なるほど、近未来アウディのブランドイメージはe-tron GTが引っ張るのだろう。見ているだけでこんなにワクワクさせるEVはそう多くなさそうだ。

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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九島辰也

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