ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

いい靴の選び方と、手入れの仕方

エンリッチ 松尾健太郎 スタイルコンシェルジュ

昔から、「お洒落の基本は足元から」といわれる。いくらいいスーツやジャケットを着ていても、靴が悪ければ、コーディネイトは台無しだ。逆に、靴さえよければ、全身がきりりとしまって見えるものである。
そこで今回は、お洒落の要ともいえる靴がテーマだ。いい靴の選び方、そして手入れの仕方を、靴専門のセレクトショップ、ワールドフットウェアギャラリーにてうかがった。さまざまなデザインや色、そしてブランドの中から、あなたにぴったりの一足を見つける方法を伝授しよう。

今回の Concierge
日高竜介さん(ワールドフットウェアギャラリー ディレクター)

ファッションのセレクトショップは数あれど、靴のセレクトショップは少ない。ワールドフットウェアギャラリーは、さまざまなブランドやスタイルの靴を幅広く取り揃える、靴のセレクトショップだ。日高さんは、自らバイイングを務めるほか、フィッティング、シューケアなどの知識を極めた、靴のプロフェッショナルである。


Q

「今トレンドの靴というのは、どういうものですか?」


A

「ずばり黒や紺のダークカラーのスエード、しかもモンクストラップがおすすめです」

エンリッチ コンシェルジュ

今回のコンシェルジュ、日高竜介さんは靴のみならず、ファッションのほうでもお洒落なことで有名。ダークカラーのスエードシューズは、ご覧のようなジャケット・スタイルにおすすめだという。日高さんの履いている黒スエードのダブルモンク・ストラップ3万7000円(ワールドフットウェアギャラリー オリジナル)。左/ネイビーのダブルモンク・ストラップ5万2000円(ボリーニ)、右/グレイのシングルモンク・ストラップ5万2000円(ボリーニ/以上ワールドフットウェアギャラリーTEL.03-3423-2021)
今回のコンシェルジュ、日高竜介さんは靴のみならず、ファッションのほうでもお洒落なことで有名。ダークカラーのスエードシューズは、ご覧のようなジャケット・スタイルにおすすめだという。日高さんの履いている黒スエードのダブルモンク・ストラップ3万7000円(ワールドフットウェアギャラリー オリジナル)。左/ネイビーのダブルモンク・ストラップ5万2000円(ボリーニ)、右/グレイのシングルモンク・ストラップ5万2000円(ボリーニ/以上ワールドフットウェアギャラリーTEL.03-3423-2021)

——こんにちは。今回はいい靴の選び方と、その手入れの仕方を伺いたいと思います。ワールドフットウェアギャラリーは、業界でも珍しい靴のセレクトショップということですが、普通の靴店と何が違うのでしょうか?

「はい、一つのブランドに固執せず、さまざまなブランドを扱っているところが特徴です。靴はブランドによって、少しずつフィッティングが違いますから、単一のブランドだけだと、どうしても足に合わない方が出てきてしまいます。しかしワールドフットウェアギャラリーでは、数多くのメーカーを扱っていますから、ぴたりと足に合い、デザインの好みも一致するものが見つかると思います。価格もお求めやすいものから高級品まで、幅広く取り揃えております」

——ENRICHをご覧の富裕層の方に、特におすすめのサービスはありますか?

「神宮前店の2階は、VIPルームになっており、ゆったりと寛いだ雰囲気の中で靴選びを楽しんで頂けます。さまざまなタイプの靴が一堂に会しておりますので、楽しいひとときを過ごして頂けると思いますよ。また銀座店では、閉店後の貸し切りショッピングも承っております。こちらは、ご自身で楽しまれる方の他、プレゼントで利用なさる方も多いですね。どちらも電話にて事前のアポイントをお願い致します。『ENRICHを見た』とお伝え下さい」

——さて、いきなりですが、今一番トレンドの靴というと、どんなタイプですか?

「私どもの店は、靴のセレクトショップという性格上、靴のトレンドに敏感な方々が集まります。そこで、いま一番売り上げが伸びているのが、ダークカラーのスエードです。形はモンクストラップと呼ばれる、ベルトで留めるタイプのシューズです。今までスエードといえば、茶系が定番でしたが、今年はブラック、ネイビー、グレイなどのダークカラーが注目されています。
スエードのドレスシューズは、1930年代に、当時英国王子だったウィンザー公の影響で流行したことがあります。それから70年代には、アメリカの大物ファッション評論家、アラン・フラッサーによって、“最もエレガントなビジネスシューズ”と評されたこともあります。ですから今回の流行は、ちょうど40年周期だといえますね。いずれにしても、上品な雰囲気を持つ靴で、今のスタイルにぴったりだと思います」

 


Q

「男が必ず持っていなければいけない一足というのはありますか?」


A

「黒の内羽式のプレーントゥです。フォーマルからスーツまで、何にでも合わせられます」

黒のプレーントゥならタキシードから、スーツ、冠婚葬祭全般まで、オールマイティ。イザというときのために、ぜひいいものを揃えておきたい。この一足は日本製、通好みのファクトリーブランド、ミヤギコウギョウのもので、コストパフォーマンスに優れている。5万2000円(ミヤギコウギョウ/ワールドフットウェアギャラリーTEL.03-3423-2021)
黒のプレーントゥならタキシードから、スーツ、冠婚葬祭全般まで、オールマイティ。イザというときのために、ぜひいいものを揃えておきたい。この一足は日本製、通好みのファクトリーブランド、ミヤギコウギョウのもので、コストパフォーマンスに優れている。5万2000円(ミヤギコウギョウ/ワールドフットウェアギャラリーTEL.03-3423-2021)

——イザというときのフォーマルのために、必ず持っていたい一足というのはありますか? 

「それは、ご覧のような黒のプレーントゥでしょう。これさえあれば、ビジネスはもちろん、冠婚葬祭など、通常のフォーマルシーンには、ほとんど対応できます。黒のストレートチップを好まれる方が多いのですが、タキシードまで視野に入れると、プレーントゥに軍配が上がります。ストレートチップは、傷つけた靴先を補強したのが始まりと言われていて、その出自は“労働者の靴”なのです。
このミヤギコウギョウのプレーントゥは、1930年代のアメリカの靴を再現しようとした一足です。アメリカの靴というと、どっしりしたデザインを思い浮かべる方も多いかと思いますが、実はアメリカでは細い靴が人気なのです。今でも、ラルフローレンやフェラガモは、アメリカ市場だけ、ウィズを細めにしているそうですよ。このモデルもとにかく細く、コバ(靴上部と底部をつないでいるサイドの張り出し部分)も少なく、ステッチのピッチが細かいのが特徴。実にエレガントな雰囲気です」

松尾健太郎

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