ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

いいネクタイの選び方


Q

「体型によってネクタイ選びは変わってきますか?」


A

「よほどのことがない限り、一般的なもので大丈夫です」

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長すぎた小剣はループに通してパンツのなかにしまうのがスマートだ。

——ネクタイの長さは、どう選べばいいですか?

「日本製は145〜146cmが一般的です。長さは小剣で調節しますが、今は大剣と小剣がちょうど同じ位の長さになるのがキレイだと思います。あまり小剣だけ短いのは頂けないですね。」

——輸入モノの長めのタイは、どう締めればいいですか?

「イタリア製のタイは146から150cm程度のものまであります。よくファッションのプロが小剣を長く結んで、だらりと垂らしているのを見かけますが、あれは一般の人はやらないほうがいいと思います。小剣をループに通して、パンツの中にしまうのが無難でしょう。理想的なのは自分のサイズに合わせて、リフォーム店でカットしてしまうことです」

「余談となりますが、先日ラグビーチームのユニフォームのネクタイを作ったのですが、その長さは153cmもありました。なんせ多くの選手は、ネックサイズが40cm台後半でしたから(笑)」


Q

「結び方のコツを教えて下さい」


A

「とにかくディンプルを作りましょう」

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——美しいノットを結ぶためには、どうすればいいですか?

「まずは“ディンプル(結び目の下のエクボ)”を作りましょう。これは“基本のき”です。テレビで見るニュースキャスターや政治家をはじめ、きちんとディンプルを作れていない人が多すぎますね。これがあるかないかで、タイの印象はがらりと変わってしまいます。ディンプルはネクタイに立体感を与えてくれ、高級に見せてくれるのです。逆に安いタイでもうまく結べていれば、それなりに見えるものです」

——ディンプルを作るコツは?

「ノットを結び終える前に、あらかじめエクボを作っておくことです。完全に結んでしまってからでは、美しいディンプルは作れません。ノットを左右対称に作ることも大切です。どちらかに縒れて斜めになってしまうとNGです。結ぶときに、ノットの形を“意識する”ということが大切だと思います」

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ディンプルは結び終える前に、あらかじめ形を作っておくのがコツだ。

——とはいえ、これが、意外と難しいんですよね・・

「どうしてもうまくいかない時は、スタート時の大剣と小剣を持つ手を、逆にしてみるのも一案です。それぞれの人には、それぞれの“慣れ”があるものです。ちなみに私は通常大剣を右手で持ちますが、実は左手で持つ人のほうが多いらしいですよ」

——あ、私も“右で大剣”でした・・

「あと、結び目が台襟についていないとすべてが“台無し”です。第一ボタンが覗いてしまわないよう、しっかりと締め上げ、ノットは台襟にしっかりとくっつけてください」

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このようにタイと台襟の間が離れてしまってはNGだ。

——ウィンザーやセミウィンザーノットはどうですか?

「現在のタイは、表地も芯地も、ほぼすべてプレーンノットで結ぶことを前提に作られています。それ以外のノットは、基本的にはおすすめしません。一時期流行ったダブルノットなども、生地がごく薄いものであればいいかもしれませんが、いまはあまり見かけませんね」

松尾健太郎

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