ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

いいネクタイの選び方


Q

「大昔に買ったネクタイは、もうしてはいけないのですか?」


A

「幅に注意しましょう」

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——ネクタイって意外に長持ちしますよね。大昔に買ったタイは、もう締められませんか?」

「もちろん、そんなことはありません。しかし、その形状には注意してください。現在のネクタイは大剣の幅が8cmが主流です。20年ほど前は8.5cmが一番多かった。25年ほど前は9〜9.5cmでした。9cmを超えると現在のシャツの襟や、ジャケットのラペルとのバランスが悪くなってくると思います。太すぎるのです」

——しかし、とても気に入っている柄のネクタイがあるのですが・・

「そういう時はリフォームをするという手もあります。高級リフォーム店では、太いタイを細くしたり、長いタイを短くしたりできます。芯地を変えることも可能です」


Q

「いいネクタイの見分け方を教えて下さい」


A

「店頭で簡単にできるチェックポイントがあります」

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剣先に柄がかかっていないものを選ぼう。右のタイ¥9,000(ロバート・フレイザー/アイネックスTEL:03-5728-1190)

——いいネクタイの見分け方ってありますか?

「よく言われるのは、ネクタイの端を持って1本を長く垂らし、よじれなかったらいいタイだとか、大剣裏にあるループを引っ張ってみるとか・・しかし店頭でやるのは憚られますよね。特に後者はタイを壊してしまう可能性もある。絶対にやめてください」

——では、店頭で簡単にできる見分け方はありますか?

「まずは剣先に柄がかかっていないかどうか。小紋などの柄が大剣の先で見切れていると、そこから糸が出やすく、毛羽立ちやすいのです。ですから柄を避けた生地取りをしているものがいいタイです。当然要尺は増え、コストはかかります」

——なるほど、これは簡単ですね。他には?

「ネクタイのサイドのふっくら感を見ます。自然にロールしているものが高級品です。ここがぺったんこだとダメですね。ロープライスのタイは、機械で縫った後にプレスをされているものが多く、サイドが平たく潰れています。それからカンヌキ(大剣裏の縫い目)からのラインが、剣先までまっすぐに落ちてきているものがいいタイです。裏地がキレイなひし形を描いていなければなりません。あとはタイの両側のキワを触ってみて、芯地が端まできちんと入っているものを選びましょう。生地と芯地の間に、やけに隙間があるものはNGです。細い芯地が使われていると、結んだノットの上側が垂れてきてしまうのです」

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タイを横から見て、ふっくらと丸みを帯びているもの(右)がいいネクタイだ。
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カンヌキから剣先への線がきれいに落ち、大剣裏にキレイなひし形があるものを。
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タイの端までしっかりと芯地が入っていることを確認する。

松尾健太郎

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