ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

シップスで聞いた、定番と今風の着こなし


Q

「他にも何か定番といえるアイテムはありますか?」


A

「シップスの大ベストセラーをご紹介します」

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シップスが別注したトゥミのアルファ・シリーズより。どちらもパソコンパッド他、多くの機能的なポケット付がついている。左:リュックにもなる3ウェイ・バッグ。縦30.5×横42×マチ15cm ¥68,000 右:トートバッグ。縦36×横43×マチ14(21.5)cm ¥60,000(トゥミ フォー シップス/シップス 銀座店 Tel.03-3564-5547)

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——他に何か大定番といえるものはありますか?

「年間1千〜2千個、累計だと1万個以上も売れた大ベストセラーがあります。それがシップス別注のトゥミです。トゥミはアメリカの世界的に有名なバッグ・ブランドで、多くのポケットがついた機能性と、耐久性に優れたバリスティックナイロンで知られています。20年間も同じものを使い続けている人もいるほどです。壊れないんですよ(笑)。通常モデルはブラックなのですが、シップスで別注したものはカラーがネイビー仕様となっています。通常赤のロゴも、ホワイトです。これはシップスでしか手に入りません。いまでもモデルによっては、2〜3ヶ月待ちの状態が続く、大人気商品です」

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グローブ・トロッターのシップス別注トランク。カラーはオリジナルのミッドナイト・ブルー、内張りはトーマス・メイソンのシャツ生地が使われている。トランク各種¥172,000〜¥222,000(グローブ・トロッター フォー シップス/シップス 銀座店 Tel.03-3564-5547)

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——そちらのトランクはグローブ・トロッターですね?

「はい。グローブ・トロッターを紹介したのも、日本ではシップスが最初だと思います。かつてシップスのPRだった故・中澤芳之さんと現グローブ・トロッター アジアパシフィック社長、田窪寿保さんの、個人的な付き合いから取り扱いが始まったと聞いています」

——中澤さんと言えば、シップスの伝説的な人物、元祖“プレス”ですよね? 私もよくお世話になりました。この世界でちょっと古い人は、皆知っている偉大な方です。2017年にお亡くなりになったときは、本当に信じられませんでした・・

「本当に皆に慕われていた人でしたね・・」

——では改めて、シップス別注のグローブ・トロッターについて教えて下さい。

「はい。今から25年前は、洋服好きが持っていてサマになるトランクがなかったのです。グローブ・トロッターは唯一の存在でした。真四角で、シンプルで、壊れてもすぐに直せるところも魅力でした。シップスの別注のグローブ・トロッターは、ウチにしかない、ちょっとくすんだネイビーが特徴です。われわれはミッドナイト・ブルーと呼んでいます。それから内張りには、英国トーマス・メイソンのシャツ生地が使われています。さらに30インチといった大きなサイズにも伸縮式のハンドルが付けられています。これもシップスだけのオリジナルで、他にはない仕様です」

——なるほど、シップスはさすがに老舗だけあって、トゥミやグローブ・トロッターなど、もはや世界的なブランドにも、いまだに別注商品をオーダーできるのですね。“定番とは、常にアップデートされるもの”というシップスの哲学を体現したような商品の数々、私も全部欲しくなりました。本日はありがとうございました!

撮影=小澤達也

松尾 健太郎 (まつお けんたろう)

THE RAKE 日本版編集長、クリエイティブ・ディレクター
株式会社世界文化社にて、月刊誌メンズ・イーエックス創刊に携わり、クラシコ・イタリア、本格靴などのブームを牽引。‘05 年同誌編集長に就任し、のべ 4 年間同職を務めた後、時計ビギン、M.E.特別編集シリーズ、メルセデス マガジン編集長、新潮社 ENGINEクリエイティブ・ディレクターなどを歴任。現在、インターナショナル・ラグジュアリー誌“THE RAKE”日本版編集長。

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