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ヘリコプター 購入編(後編)

自分の敷地にヘリポートを設置

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格納庫は重要なポイントのひとつ

ヘリを購入したら、当然だが置き場所が必要になる。例えば、今回お話を伺ったアルファーアビエィションが所有する茨城県の下妻ヘリポートの場合、おおよそ月額20~30万円ほどで保管ができる。

管轄の空港事務所に申請をすれば自分の敷地内にヘリポートを設置することも可能だ。そうすれば、毎月数十万の保管料を払い続けなくても好きな場所にヘリを置いておくことができる。ヘリポートを大別すると「公共用ヘリポート」「非公共用ヘリポート」「場外離着陸場」の3つに分類される。3つのうち「公共用ヘリポート」と「非公共用ヘリポート」は申請から許可が下りるまで1~2年の期間を要する。その点、「場外離着陸場」であれば、諸々の基準を満たせば申請から1週間ほどで許可が下りる。

なお、「場外離着陸場」を設置するには土地の広さやまわりの環境などにさまざまな規制が設けられている。たとえば、「進入表面上に1/8勾配(8m進んで1m上昇する角度)以上の建物がないこと」など細かく定められているのでので、事前に確認をする必要がある。また、夜間照明の設置も必須だ。夜のフライトでは夜間照明がなければ離着陸場を使うことはできない。夜間照明の設置には数百万ほどの費用がかかる。

ちなみに、ロビンソンR44には水面に着水できる「クリッパー」というモデルがある。日本には認可された水上飛行場や水上ヘリポートがないので、水上に降りる場合は周囲に人や障害物が存在せず、ある程度の水深があればどこにでも降りられる。しかし、水上への着水にはそれなりの操縦技術を要することを覚えておいてほしい。

忘れてはいけない、近隣への配慮

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格納庫は重要なポイントのひとつ

そして、「場外離着陸場」を設置するときに忘れてはならないのが、近隣の住民との騒音問題である。プロペラの回転音や、離着陸時の暴風は必ず発生するものであり、騒音苦情が住民から出てしまうと設置の許可が下りない。近くに民家が多くある場合はその点についても事前に話をして、納得をしてもらう必要がある。たとえば、近くに「場外離着陸場」があれば災害時に何かの役に立つかもしれない、などの説明をするのも有効だろう。防災意識の高まる現代において、いつでもヘリが離着陸できる場が家のそばにあるというのは安心感があるはずだ。

「場外離着陸場」の許可が下りたら、以後は3ヶ月ごとに更新すればその場を使い続けられる。その他、ヘリを収納する格納庫も必須だ。基本的に1台数億円クラスのヘリになるとプロペラでも高額になるので、雨ざらしをさけるためにも必ず室内で保管したい。

エンリッチ編集部

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